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47.回族
回族とは唐の時代に中央アジアやインド洋を経由して来た
アラブ・ペルシア系の人たちと中国人の間に生まれた子孫です。
中国全土に860万人、雲南省には90万人住んでいます。

中国全土に住んでいますが
それぞれの土地で回族のコミュニティーの中で生活しています。
ほとんどがイスラム教徒で、
豚に由来するものを食すことはできません。

加工場から20km程離れた山の中にも
300人が暮らす回族の村があります。
村にはモスクが立てられ、モスクを囲むように居住しています。
各家には牛が飼われ、
鶏の他に珍しい種のアヒルやガチョウを大切に飼っています。
食事は、牛肉の場合
クミンやコリアンダーなどのスパイスやハーブを使った
煮込み料理がメインとなります。
市場で豚肉が1kg20元、牛肉は1.8倍の1kg36元。
村では牛肉はごちそうになるので鶏肉を食べる機会が多いのです。

町から離れた私たちの職場では、
社員は加工場の宿舎に住み込みで働いてもらい、
豚肉を多く使うタイ族の食事を提供します。
以前、雲南農業大学を卒業した回族の女性を面接しようとした時、
食事のおばちゃんが
牛肉を使う料理がほとんどわからないということが判明し、
最終的に食事の問題が解決できず
雇うことができませんでした。

回族にはイスラム教徒が食す事ができる
ハラール食品が欠かせません。
各国にイスラム教協会が認める認証制度があり
中国でも始まりました。


最近、中国イスラム教協会が認定するハラール商品が、
加工場近くの町でも買えるようになりました。
大手乳業メーカーのアイスクリームとクッキーです。

地元企業への認証は進んでなく、まだまだ品数が少ない状態ですが、
ハラール商品の市場は広く、
このような取り組みが増えていくと
民族間の垣根も低くなっていくことでしょう。
雲南で暮らすと中国の民族の多様性を日々実感します。


2010年10月27日(水)

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