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54.豚の出荷が始まりました
コーヒー業務の傍ら
私たちがこの一年取り組んできたことがあります。
それは成都の金社長の焼き肉チェーン牛牛福に卸す
豚を育成すること。

私たちにとって養豚は初めての経験。
農園周辺の豚の品種の調査から始め、豚舎の設計・建設、餌の配合、
飼育経過や作業記録の資料作りに至るまで、
命あるものを扱う苦労を実感した日々でありました。
竜巻で豚舎が半壊、子豚を失う悲しい事件も発生しました。
スタッフと試行錯誤の甲斐あって
この12月に初めての豚の出荷にこぎつけたのです。

今回出荷の対象になったのは黒毛・赤毛・白毛を一匹づつ。
3匹は、品種改良を重ねたハイブリットと比較すると、
発育がゆっくりですが1年かけて120キロに成長しました。

保山の加工場から成都までは高速道路が開通していないため、
トラック輸送出来ません。
豚を生きたまま連れて行くにはストレスがかかりすぎ、
肉がおいしくなくなります。
10tの冷凍車を昆明からチャーターするかいろいろ悩んだ末、
加工場から130kmはなれた騰衝の真新しい空港から
成都に空輸することになりました。

町には業務用の冷凍施設がないため、
発泡スチロールの箱に氷をつめ生肉での輸送です。
1日に200匹を肉にできる食肉施設では、
私たちが空輸するという話を聞きつけ、
小売商が人だかりになり質問攻めです。
「これは特別な品種か?どこで販売する?」
「成都で焼肉と豚しゃぶにするのだ。」
と答えるスタッフ。

今度は10名もの卸売業者が手に顔や内臓をぶら下げて販売交渉。
私達の所で育てた豚しかできない事を伝えると、
「私も委託生産できるからいくらだ?」
「私の豚の内臓と比べたいから内蔵を見せてくれ。」
と商売に必死です。
人混みを振り払うように検疫所に向かいました。
事前に話を通しておいた空港の検疫所でも質問攻め。
「初めて豚肉を空輸するがそんなにおいしい肉なのか?」
そんな大騒ぎの後に、
やっとの思いで朝一番の飛行機に乗せることができました。


2010年12月22日(水)

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