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56.タイ族村の結婚式
乾季はコーヒーチェリーの収穫時期です。
標高の高い地域独特の真っ青な晴天が続きます。
とてもさわやかなこの季節、あちこちの村で、
にぎやかな笑い声が聞こえてきます。
結婚式のシーズンでもあるのです。
先日、私たちも、スタッフの姪の結婚式に招待されました。

新郎は25歳、新婦は22歳、初々しいカップルです。
村中の人たちがお祝いに駆けつけ、
新婦の家は溢れんばかりの人が集います。
宴会の食事は村人の協力のもと、
炊き出しから配膳まで手慣れた手つきでスムーズに行われています。

客人にもてなされる料理は普段食べることのない御馳走ばかり。
40cm程の川魚丸ごと煮付けた料理や
地鶏をじっくり煮込んだスープなど、
とても食べ切れないほどテーブルに並ぶのです。
中国では習わしで
料理は客人が食べきれずに残すことが礼儀とされています。
中でも結婚式に付き物なのが「たまご」と
卵の形に似ている果物の「なつめ」で、
どちらも子宝の意味を持っています。
新郎が米酒をもって挨拶をしてまわります。
新婦は艶やかな刺繍の花嫁衣装に身を包み
息をのむような美しさです。

そして客人の注目を集めるのが、
家の真ん中に小高く積まれた嫁入り道具です。

布団が2セット、鍋、炊飯器、
洗濯機など家事に必要なもの、電化製品の数々。
村の家庭では、かまどに薪をくべて飯炊きをする家庭が主流。
大きな洗面器でじゃぶじゃぶ洗濯をする女性もよく見かけます。
嫁に行っても元気に日々を過ごして欲しいという親心から
財産の大きな部分を嫁入り装具の購入に充てる家庭が多いのです。
コーヒーの産地を感じる嫁入り道具もあります。
収穫したコーヒーチェリーの皮をむく作業に使う脱皮機です。

さすがコーヒーの産地、
新郎に一生懸命稼いでもらわなくてはいけません。


2011年1月5日(水)

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