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30. イタリアでチャイニーズ!

私がイタリアへ滞在していた3年間で良くお世話になったレストランは
ズバリチャイニーズレストランです。(イタリアン以外で)
イタリアへ旅行に来ている人達は当然本場のイタリアンを食べまわりますが、
現地でイタリアンを勉強に来ているにもかかわらず
私は休日に美味しいイタリアンを探すと共に
中華レストランも探すように心がけていました。
日本人なのだから日本食が恋しくなるはずなのに、何故か中華が恋しくなり、
色んな街など旅行に出かけたときは必ず中華レストランを訪れます。

驚くことにイタリアの大きな街には勿論、
小さな町にも必ずと言って良いほど中華レストランが店を構えています。
しかも大型店舗並みの収容力を誇る店舗面積。
私が良くお世話になったイタリアはトリノという町にある中華レストランは
一歩店内に入ると床がガラス張りで
その下に池があり鯉が泳いでいるではありませんか!
規模も大きく、内装にもしっかりこだわりを見せ、そして何といっても安い!

ヨーロッパなどの国では私たちアジア人は
滞在許可証や就業ビザを取得するには
よほどのコネクションなどが絶対必要なのですが、
「中国人には甘いのか?」という疑問さえ浮かんでくるほど、
どの街に行っても中華レストランが存在します。
ある街の日本食のレストランでは
コックさんは全員中国人だったりとその数半端ではありません。
さすがに私が働いたイタリアンレストランなど
星付きレストランでは見かけませんでしたが、それでも凄い数です。

私の中華料理に対する想いは幼少の頃に始まり
学生時代には、友達と学校帰りに良く通ったものです。
安い・早い・美味いの魅力は絶対でした。
その三大魅力はイタリアへ行っても健在で
不思議と和食よりも中華に足が向いてしまいます。
でもすべての中華レストランが美味しいわけではありません。
もちろん当たりハズレがあり、
まるっきりやる気を感じられないお店も多々あります。

良く私が通っていた中華レストランのお客さんの大半はイタリア人なのですが、
安く、早いだけあってお昼のランチ時にはいつも満席でした。
私は毎回必ず注文する料理があり、その料理は単純なラーメンです。
恥かしながらどうしてもラーメンが食べたくなりムリを言って作ってもらいます。
何故かイタリアで何件もの中華レストランに私は行きましたが
ラーメンを置いているお店に出会えませんでした。    
そこでどうしても食べたくなり注文すると快く引き受けてくださったのです。
早速現われたラーメンは
鶏がらで取っただし汁で醤油風味の信じがたい美味しさです。
そして麺はというと、なんとスパゲッティを使っていました。
フェデリーニという細麺タイプです。
アルデンテではありませんでしたが、ゆで方が良かったのか
シコシコ歯ごたえ十分で言葉を失うほどの感動を憶えています。
シェフの機転を利かした料理で十分満足し今でも私の記憶に残っています。

イタリアでチャイニーズを食べて感動しましたが、
中国北京に来てそれとは逆に
チャイナでイタリアンを食べて感動したことは今まで一度もありません。
それがたとえイタリア人シェフのレストランでも。
私は今、北京三全公寓内1Fにある
イタリア料理レストラン素封の料理長をしていますが、
来てくださったお客様(国籍を問わず)に感動を与えているのか?
というとまだ出来ていないと思います。
その私達料理人とサービス員にとって永遠のテーマである
「お客様に感動を与える」そして、「お客様の記憶に残るレストラン」でなければ
この仕事の価値など無いでしょう。

ですが現在も尚変化し続けているここチャイナ北京で
イタリアンを食べて感動して頂ける日もそう遠くないかもしれません。


2008年4月16日 <<前へ  次へ>>