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29. 思い出話 VIII

前回に引き続きお菓子屋さんでの
パスクア(イエス・キリストの復活を祝い、プレゼントする為の)、
卵形チョコレートの出来るまでをご紹介致します。

前回ではほぼ形は出来上がっているので、
後は羽や髪の毛、足とくちばしなどの色を塗っていきます。
今回使うのはこちら。

色素とその色素を霧状に少量づつ噴射させる機械。
噴射させる先のところがボールペンの様形をしていますので
細かい色使いなどが可能です。

色彩感覚とセンス、精密な動きがモノを云う仕事です。
トンティさんはやはり職人技です、あっと言う間に終わらせてしまいました。
出来上がりはこちら。

別に大した事無いじゃないか!という人もいるかも知れませんが、
当時の私にとって全てが新しくチョコとマジパンだけで作られたこの作品は
私のデザートに対する考え方を変えるほど衝撃的な経験になりました。
まだ他に幾つか作品がありますので出来上がりのみですがご紹介したいと思います。


上の写真がミルクチョコを使い髪の毛ではなく帽子になっていて、
下は見ての通りホワイトチョコで女の子っぽく仕上げています。

こちらは大きな卵型のホワイトチョコ、マジパンで動物を作り色を付けたもの。
まだまだトンティさんが手がけたチョコレートの作品が沢山あり
全部ご紹介出来ないのがとても残念です。
私がイタリアで修業したレストランでは経験出来ない
デザートの奥深さや可能性を改めてこのお菓子屋さん
(ピエモンテ州、ブラという町にあるパスティッチェリア&バール コンベルソ)
で学ぶことが出来ました。
お菓子屋さんのデザートとレストランのデザートでは根本的に違います。
その違いを理解して経験したことを活かし新たな可能性を求めて
これからのレストランにおけるデザートを追求していこうと深く考えさせられました。
最後に私を含めて記念撮影させていただいたので、その時の写真をアップいたします。


一番右の方がこのお菓子屋さんの店主、アレッサンドロ氏。その隣腕を組んでる方がチョコ職人トンティ氏。


2008年4月2日 <<前へ  次へ>>