Qさんの本を読むのが何よりスキ
という戸田敦也さんがQライブラリーのガイド役をつとめます

第250回
「Qさんライブラリ」ご愛読ありがとうございました

「さあ、これから自分のホームページを立ち上げるぞ」、
邱さんがそう決め、私などにも声がかかってきて、
心をときめかしながら邱永漢事務所に参上したのが
昨年の7月ころのことでした。
「何を書きますか」
「私の場合はやっぱり、センセイの本を読んで
えた知識や知恵をいかした体験を書くことだと思います」
といった話を邱さんとかわしているところに
“ハイQ”立ち上げを担当していた根石さんが参加しました。

邱さんが根石さんに私のことを
「この人は邱永漢作品を全冊持っている人ですよ」と
紹介されたので、根石さんが
「邱永漢著作を紹介するコーナーを設けるので、
そこに一言書いてください」と言われ、
「お知恵拝借」のほかにこの欄での連載も
担当させていただくことになりました。

邱さんの作品紹介には、
尋常でなかった青春期の記述を
欠かすことができないと思っていますので、
邱さんの台湾、日本、香港を舞台とする
波乱万丈の出来事や行動にかなりのページをさきました。
また再来日して厳しい関門をくぐり、
作家としてデビューしながら、思うように注文が来ず、
自ら出版社に乗り込んで自分自身を売り込むにいく
苦闘の日々の後姿も追いました。

そして、同年代の出版人、中央公論社嶋中鵬二さんから
「邱永漢という名前にはお金と食べ物が似合う」
と言われ、心にわだかまりを覚えながらも、胸に押し込め、
忠告を素直に受け入れるところから、道が開けて行きます

次々に生み出していく作品が
多くの読者によって迎えられます。
なぜ邱さんの作品は多くの人に読まれるのか
そうした作家の秘密に迫りながら、作品を紹介し、
邱さんが還暦を迎える昭和59年頃に記述が及んだところで
連載は250回に近づきました。

道草しながらの連載でしたから
邱永漢著作全体の4分の1程度の作品を紹介したにすぎません。
が、“文章のデパート”を目指し、
「小説、食べ物随筆、社会評論、文明批評、経済評論、
株式評論、理財、金銭学、哲学書などさまざまな分野」
(『邱永漢ベスト・セラーズ刊行にあたって』)
とあらゆるジャンルで健筆を振い、
年に15本もの連載をかかえるようになった
邱さんの執筆姿勢と60歳前の作品の概要は
紹介できたと思っています。

「毎日2本もの連載はたいへんでしょう、
1本に絞られるのがいいのじゃないですか」
早い時期から、そういうアドバイスを受けていましたので
250回という節目を迎えたところで、
このコラムは幕を引かせていただき、
『お知恵拝借』のコラムで、
作品紹介の話も織り込ませていただくこととしました。

ご愛読いただいた方々にお礼申し上げます。
また毎々原稿チェックという骨の折れる作業を
手伝っていただいたハイQ編集部の皆様に
心からお礼申し上げます。


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2003年5月4日(日)

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