パリだけがフランスではありません

第34回
髪の手入れはお洒落の秘訣?

パリはいろいろな店がひしめいているので、
美容院の数は目立たないかもしれません。
が、ここヴァンヌやセネでは、
美容院と不動産屋が数軒に1軒の割りであるほど多いのです。

たとえばセネの中心部。
教会、市庁舎、郵便局、パン屋、薬屋、肉屋に
2軒のバーと2軒のレストランと花屋があります。
だいたいどこの村の中心部にもあるラインナップです。
そして4軒(町の中心部に2軒と、はずれにそれぞれ1軒ずつ)もの
美容院がありました。
そして2年前、町の中心部にさらにもう1軒登場したのです。
ヴァンヌも同様で、こんなに美容院だらけで
よく商売が成り立つと感心してしまいます。

どこも潰れないのは、
どうやらフランス人女性(実は男性も)の
たゆまぬお洒落心ゆえと言えそうです。
若ければ若いほどお洒落にお金をかける日本と違い、
年を重ねれば重ねるほど身だしなみに気を使う彼女たちは、
特に「髪」にこだわっている気がします。

一昨年、フランスは猛暑に見舞われ、
老人施設や病院での冷房設備の不備が問題になりました。
その時しばしば施設内部の映像が流れました。
車椅子の人も、少々ボケが始まっているような様子の方も、
とにかくみなこざっぱりとお洒落に見えました。
特に女性たちは際立っていました。
なぜだろうと思ったとき、
きちんと整えられた髪の印象だと気付きました。
ぼさぼさ髪の人は一人もいませんでした。

実はフランスは美容院としてお店を構えてお客を迎えるだけでなく、
こうした施設や各家庭を回るホーム美容師さんも多いのです。
電話で予約さえ取れば、
洗髪からカットはもちろん、染め、パーマと、
美容院ですることをすべて自宅でやってくれます。
外出しにくい高齢者や、内陸部の人口の少ない地域では、
こうした美容師さんの存在は不可欠です。

そういえば以前東京で通っていた美容院のオーナーが
「フランスはどこへ行ってもみんなカットが上手だから安心だよ」
と言っていたのを思い出しました。


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2005年4月4日(月)

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