パリだけがフランスではありません

第46回
モルビアン湾のお祭り

ヨーロッパは復活祭前後から本格的な観光シーズンに突入します。
なかでもフランスは観光地としてダントツの人気があり、
この時期から10月ぐらいまで、
あちこちで大小のお祭りや催し物が始まります。

ここモルビアン県では、2年に1回、
5月初旬、今年は2日から8日まで
「モルビアン湾の1週間」が開催されます。
湾に面したあちこちの町や村、島を基点に
野外でブルターニュの音楽やダンスが披露され、
ゲームが行なわれたり、食べ物の屋台が出たりします。
湾内には有名なヨットや古い漁船
(セネの赤い帆のシナゴもそうですが)から
いろいろなボートも集結します。
けっこう迫力の花火大会もあるし、
まあ、大きな村祭りといった雰囲気でしょうか。

ここセネでは、アンナ港で週の半ばと週末2日間、
ブルターニュの音楽とダンスの夕べと花火があります。

2年前、息子の学校から駆り出され、
バゲットサンドとフリット(フライドポテトのこと)の売り子として
手伝ったことがあります。
フランス語が今よりずっと不安で、最初は断ったのです。
でもきっと面白い経験になると勧められ、
結局断りきれなくなった私でした。

オリヴィエは
「フリットを売るなんて、きっと頭から足の先まで脂臭くなるよ」
とからかいました。

当日は祭りも最終の土曜日の18時から22時まで。
最初は作り方を説明してもらい、
バゲットを切ったり、バターを塗ってハムを挟んだり、
裏方に徹していました。
ところがしまいには私もお客さんの注文を聞いて売っていました。

途中、両親もやって来て、
「ブルトンに混じって日本人が立ち働いているなんて、実に面白い」
と愉快そうでした。
オリヴィエは珍しいからと写真を撮ってくれました。

そうなのです。
こうした地域の催しは、
すべて地域の人々の手作りで行なわれるのです。
お手伝いはみんなご近所のボランティアですが、
個人ではなく、いろいろな地域のサークルから出るのです。
売上金はそうした地域活動の援助金になります。
たとえば私の働いた分は、
学校(日本で言うならPTA)の資金となり、
備品や遊び道具、
子供たちの遠足の補充金などとして使われるのです。

また今年もその役が回ってきました。
もちろん今回は自分からお手伝い参加の返事をしました。


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2005年5月2日(月)

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