パリだけがフランスではありません

第47回
仰天した携帯電話の請求書

我が家で携帯電話を持つのはオリヴィエだけですが、
しょっちゅう家に置きざりになっています。
普段店か家なので、それほど必要ないといえばそうなのです。
だから毎月の支払いは30ユーロほど。
ところがある時、とんでもない額の請求書が舞い込んできました。

話は少し前に戻りますが、
息子が携帯電話で遊びたいとせがんだことがありました。
オリヴィエはOKし、
二人で簡単なゲームなどをしていたと思います。

この請求額がわかる数日前、
学校から帰ってきた久が、
例によって家に置きっぱなしになっていた携帯電話で
遊んでもいいかと私に言いました。
最初「ノン」と返事をしたら、
「だってパパは僕がいじってもいいって言ったよ。
少しゲームをするだけ。いいでしょう。
マモンがだめって言うなら、パパに電話して聞くよ」と。
以前の経緯からどうせ彼は許すに決まっていたので、
仕方なく承諾しました。

いつもバタバタ出たり入ったりうるさいのに、
この日は携帯電話と一緒に自分の部屋に行ったきり静か。
コンピューターに向かっていた私はこれ幸い…
までは良かったのですが、
随分時間が長い。
すでに知っている無料ゲームにしては
ちょっとおかしいと感じました。
「ねェ、まさか有料じゃないわよね。
あのね、無料とは限らないのよ」と私。
「大丈夫だよ。いろいろ(どうやら友達から仕入れた情報らしく)
この雑誌(後でオリヴィエが見たら、
拡大鏡で見なければ読めないような小さな字で
使用料が書いてありました)を見てやっているけど、
お金かからないよ」と彼。
「でも携帯電話は玩具じゃないから、もういい加減に止めなさい」。
こんなやり取りが2日、続きました。

オリヴィエが店から帰り
「今月の携帯の請求書が200ユーロにもなっているって
電話局から連絡があって…」
「アー!久だー!」
私は思わず大声で叫んでいました。

すべては後の祭り。
自分たちの迂闊さを後悔し、
息子にはお金の大切さを懇々と説明しました。
「パパが毎日一生懸命働いて作ったお金」だと言い、
その大切なお金を無為に使うことは
とても良くない事なのだと続けました。
これで息子も自分が何をしたのか理解したようです。

この出来事で親子共々学ぶ事はありましたが、
泣きたいくらい高い授業料でした。
ちなみに事件の経緯を話す事はあっても、
実際の金額はあまりに恥ずかしくて言っていません。


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2005年5月4日(水)

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