パリだけがフランスではありません

第58回
美しい季節…のはずなのに

ヨーロッパ、つまりフランスに梅雨はありません。
5〜6月、木々は緑にあふれ、
色とりどりの花は太陽をいっぱいに浴びて咲きほこります。
1年でいちばん昼も長い美しい季節です。

我が家の猫の額ほどの庭でも、
石楠花(シャクナゲ)が早々に散った後にバラが咲き、
インパチェンスがその足元を、紫陽花が壁際を飾り、
窓辺に置いたペチュニアの鉢植えも育ってたくさんの花をつけます。

家の向かいも並びの家々も、
庭は裏側にあるため外からは見えません。
そこでたいていの家で道路側の窓辺や壁際に鉢植えを飾り、
夏中道行く人の目を楽しませます。
が、今年は少々勝手が違います。

前のラングルの浜辺へ通じる道とアンナ港への道が、
もう7ヶ月以上も工事中なのです。
誰もが5月初旬のモルビアン湾のお祭りまでに
ある程度片がつくと期待していたのですが…

水道管の工事。
電気線と電話線を地下に入れる工事。
道路自体の修復、などなど。
掘っては埋め、また掘っては埋めの繰り返し。
本来は舗装道路なのですが、以上の経緯でぼこぼこ。
あちこち土と砂利が剥き出し状態です。
オリヴィエはまるでモロッコの道路だといいます。

今年の春は雨が少なく乾燥しているので、土ぼこりがたまりません。
車に積もるほこりは言うに及ばず、
家の中だって普段の数倍の土ぼこり。
窓ガラスなんて工事が終るまで汚れるに任せるしかありません。

ご近所で顔を合わせれば、
話題はほこりのひどさと工事の終りが見えない事。

水道管を埋めたり、電線や電話線の工事の穴掘り作業は一段落で、
今は最終段階の歩道の整備に入っているかに見えます。
でも作業員の姿がちっともありません。
だから工事が進展しているとも思えないのです。

ブルターニュはフランスでも北にあります。
日本で南と北で気質の違いはあっても、
仕事のやり方に差があるなど考えられませんよね。
ところがイタリアもそうですが、
ラテン系民族の南と北の人では
気質どころか労働意欲に格段の差があるのです。
北は全般に働き者。南は…失業率も高い。
その北に属するブルターニュでこれですから、
南フランスでの公共工事なんて
いったいどんなことになっているのでしょうね。

私たちの「美しい季節」、
今年はどうやらほこりにまみれて過ごさざるを得ないようです。


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2005年5月30日(月)

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