パリだけがフランスではありません

第73回
初めてのキャンプ参加

3年前、まだオリヴィエの両親がリヨンに住んでいた頃、
我が家の夏休みは数週間リヨンの家で過ごすのが習慣でした。
大きな家だったし、庭も広くプールもあったため、
特にどこへ行かなくとも
ゆっくりそこで過ごすのが最高の休暇だったからです。

今はどうかというと、リヨンに行くまでもなく
毎日のように両親とは顔を合わせられます。
さらにここも一応リゾート地っぽい(広い海岸はありません)ので、
わざわざ人の多いところへ出かける必要もない。
結局2ヶ月、いつも同様のんびりここでバカンスというわけです。

しかし子供も丸2ヶ月、
いつもと同じように近所の友達と遊ぶだけで良いのだろうか?
学校がないので極端に言えば朝から晩まで遊ぶだけ。
あまりに進歩がないかな、と思ったわけです。

これまでもリヨンに行かなくなってからは、
市でアレンジしているサマー・スクールに
2週間から3週間通わせていました。
でも大きくなるに従い「つまらない」と言い出したのです。

そこで9歳から12歳ぐらいの子が参加できる
日替わりのスポーツ・プログラムと
キャンプに行かせようと思い立ちました。
すべて市の主催です。

5日間のキャンプですが、
泊まるのは家から車で5分ぐらいのところ。
息子には初めての経験ですが、
もうすぐ10歳になるのだからそろそろ家、
つまり私たちから少し離れるのも良いのではと考えたからです。

申し込みをすませてしばらく黙っていましたが、
ある日、とうとうこの計画を話さざるを得なくなりました。
案の定、泣いて嫌だと言い張りました。
なだめるのはけっこう大変でしたが、
とにかく私は頑として彼の要求を突っぱね、
きっと楽しめるからと言いました。

このやり取りを聞いていた主人は、
これまた案の定
「まだ早いのではないか。無理かもしれないよ」
とそっと私に言ったのです。私も少し揺れました。
でも、とにかく少し様子を見ることにしました。

なんと数日後(実はこの間、
初めて向かいの家の友達以外の家に泊まりに行くという
事件もありました)、息子のほうから
「キャンプはいつ行くんだっけ?」と聞いてきたのです。
どうやらほんの少し親と離れることを受け入れ始めたのかなと、
ホッと胸をなでおろした次第です。

7月18日からキャンプに行きますが、
私には2つだけ確実に分かっていることがあります。
1つは夫が絶対に寂しいと嘆くこと。
もう1つは息子が大喜びで、
ちょっと少年ぽくなって帰ってくることです。


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2005年7月4日(月)

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