ガンを切らずに10年延命-関根 進

再開!元週刊ポスト編集長の目からウロコの体験秘話!

第406回
猪瀬直樹さんの力作「ジミーの誕生日」

出版不況というわりには、
この暮れには、ほんとうにたくさんの
新刊書が贈られてきました。
そのとどめ打ちともいうべき、
ちょっと衝撃的な作品が作家・猪瀬直樹さんの近著
「ジミーの誕生日」 です。

猪瀬さんと言えば、僕が週刊ポストの編集長のときに、
名著「ミカドの肖像」の連載をお願いして、
早や、4半世紀が経ちました。
それまでタブーとされてきた「天皇」を
「ミカド」という記号に置き換え、
「中心」と「周縁」、そして「中心」と「空虚」という
まさに宇宙空間的な「生命場」のキーワードを駆使。
その「視えない近代天皇制」の謎を解き明かす、
大胆な脱構築(déconstruction)手法が高く評価され、
第18回大宅ノンフィクション賞を受けたわけです。

こんどの作品は、まさに「ミカドの肖像」の姉妹編。
ミカド=天皇の運命的とも呪縛的ともいえる、
「視えない制度」の謎解きに、
ある子爵夫人の日記という第1級資料を発掘して、
見事に構成した力作です。

「昭和23年12月23日、
皇太子明仁(注・現在の天皇)の誕生日に、
なぜ、東條英機、土肥原賢二、武藤章、
松井石根、板垣征四郎、広田弘毅、
木村兵太郎のA級戦犯7人は処刑されたのか? 
その『死の暗号』は?」――という、
ちょっと衝撃的なミステリー仕立ての
ノンフィクションでしたから、
僕は一気に読んでしまいました。

中身は読んでのお楽しみですが、
著者自身がBLOGで公開している制作意図の
メッセージを紹介しておきましょう。

「これは単なる偶然ではない。
皇太子明仁の誕生日に東條英機が処刑されたという
歴史的事実をひとつの暗号とみて
戦後史を読み解くべきではないか。
憲法記念日の5/3は東京裁判の開廷した日、
A級戦犯が起訴されたのは旧天皇誕生日の4/29、
東條たちが処刑されたのは12/23の今の天皇誕生日。
そして日本側に憲法草案の締切り日として
指定された2月12日はリンカーンの誕生日で、
国体護持になおもこだわる日本側に
最後のタイムリミットとして示されたのは
ワシントンの誕生日でした。」

本書を読み進んでいくうちに、
まるで吸い込まれるように
あの禁忌(タブー)といわれ、難解といわれる、
「近代天皇制の視えない部分」が、
目のウロコを落とされる如くに
「視えて」来るから不思議です。

こんなことを書くと、
著者の猪瀬さんは嫌がるかも知れませんが、
キリストや聖書を神秘主義的に解釈するとき、
欧米ではカバラの知恵=数秘術(ヌメロロジー)といった
暗号解読法がよく使われますが、
そうしたドキドキするような潜在考察の楽しみも
味あわせてくれるはずです
とにかく、お面白い。
正月休みの1冊として薦めます。


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2009年12月27日(日)

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