ガンを切らずに10年延命-関根 進

再開!元週刊ポスト編集長の目からウロコの体験秘話!

第272回
なぜ中国の道教はパワフルか?


「人間はいかに幸福になれるか?」――
誰しもが抱く、この素朴にして実現し難い
「永遠の命題」に答えを出すために、
神を「絶対人格神」と畏れ奉り
「永遠の生命を頂く」というのではなく、
世界を「天と地と人を合体させる
宙身一体のエネルギーの生成場」と見なし、
「わが身を不老長生の仙人超人に高めよう」と
イメージしたところに、
道教の人間臭い特徴があるわけです。

いわば「わが幸福願望を≪ただ預ける≫」のではなく、
あくまで「自力で≪掴み取る≫」――
ある面でヤル気満々の宗教といえます。

民衆のレベルだけではありません。
金や元、清といった外来の皇帝たちも
天命拝受を求め(=封禅ほうぜん)、
わが身を仙人に高めることを願って、
道教を崇拝しました。

日本の八百万神や神仏混淆と同じように
道教も「万物と神と同一だとする汎神論(pantheism)」や
「万物は神の内部に存在するという汎在神論(panentheism)」
に基づいて、土着の神々を集合。
さらに巧みに「老子」や「仏教」の哲学を取り入れて、
宙身一体(=天地人一体)のエネルギー生成場に基づく、
パワー宗教としたのが特徴です。

ともあれ難解な教学分析は専門の学者に任せるとして、
いかに道教など東アジアの宗教が
民衆に根強く支持されたか? 
幸福願望に密着したか?なぜパワフルか? 
ずばり簡明な≪言葉一言≫で僕なりに分類したのが
別掲「各宗教の特徴比較表」です。

異論もあるでしょうが、
これを見れば「結ぶ」「抱く」「積む」
――神道、道教、儒教の動機づけ(motivation)が、
すべてエネルギー生成・創生の言葉によって裏打ちされ、
教義が全体調和的(holistic)に
形成されている特徴が分かるはずです。

「各宗教の特徴比較表」

●神道=結ぶ(むすぶ)   ⇒産む⇒産霊 
●道教=抱く(いだく)    ⇒抱擁⇒天人合一
●儒教=積む(つむ)    ⇒積善⇒繁栄隆盛
●仏教=解く(ほどく)    ⇒仏(ほとけ)⇒解脱
●キリスト教=救う(すくう) ⇒掬う(すくう)⇒救済


(次回に続きます)


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2010年9月29日(水)

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