第297回
帯津三敬病院・入院日記(3)
しばらく、帯津先生の病院にて保養・治療しますので、
ひとまず、このhiQの日刊連載を休憩させていただき、
再入院日記のその後の顛末は、
改めて、報告したいと思います。
誰にでもいつの日か、寿命は来るわけですが、
12年前、58歳のガン発生のとき違う点は、
齢70歳を超えて、体力も落ちていることも確かです。
繰り返しますが、この12年間、
別に、順風満帆で過ごしてきたわけではありません。
食道ガン再発の心配はもちろんでしたが、
椎間板ヘルニア、続く頸椎ヘルニアで、
全身を保つバランス力は急速に落ちてきておりました。
しかし、川越にある新装・帯津三敬病院の病室からは、
澄みわたる秋の空のはるかかなたに
秩父の連山が連なって見えます。
田圃には、黄金色の稲穂が頭を垂れ、
そこここは、万物生命が息づいて「実り」の時を迎えています。
この風景を「薬」とするだけでも、
勇気と元気のパワーが貰えそうです。
いい人たちの縁に、またしても恵まれました。
ここは、まさに、人生ソフトランディングのパワースポットです。
入院用の病室は、すべて個室で100。
僕の部屋は、トイレ付です。
病棟全体が新しいので「環境場」としては最高です。
そして、帯津良一名誉院長をはじめ、
入院中の主治医・鈴木毅副院長も、
患者の言い分も十分に勘案して、
作戦計画を練ってくれる素晴らしい医師です。
さらに、婦長さんはじめ、
看護師さんから料理の担当の皆さんまでの介護・看護は
心底、心休まるものなのです。
いつでも、気功や音楽療法・ホメオパシー、
そして、鍼灸や整体といった普通の病院では受けられない
東洋医学の養生法のシステムも整っていて、
患者が自由に選択できる、まさに全体医療(ホリスティック)の
優しい「いのちの生命場」なのです。 いい病院です。
しばらく、ここで保養・治療にゆったりと過ごさせて貰います。
皆さんも、日々、機嫌よく過ごされるように、
いのちの工夫に励み、
希望に満ちた人生を歩んでください。
最後に、僕が病棟で思いつきに書いた、
≪病床游句≫の一部をしたためますので、
読んで頂けると嬉しいです。お元気に。
また、みなさんとは再会できることを楽しみにしています。
*
●ガン延命12年――病床游句
≪旅立ちに 紅爛満の 彼岸花≫
「旅立ちに 紅爛満の 彼岸花」
「川越に 終の棲家を 見つけたり」
「チンチンと 鈴虫すだく 幸の宴(えん)」
「齢(よわい)七十 ガンと仲良く 機嫌よく」
「仙人が 教えてくれた ガン養生」
「よい加減 生きたつもりが いい加減」
「十二年 生き長らえて 悔いは無し」
「十二年 山盛りの縁(えにし)を 有難う」
「十二年 山あり谷あり 運気あり」
「カミさんと 涙も笑いも 二等分」
「あわてない あきらめるなよ あせらない」
「いのちの場 次なる高みに ギアチェンジ」
「希望こそ 良薬と思いつつ グッドバイ」
「持っていくよ スプーン一杯の 幸せを」
「こんにちは さようなら またいつか」
2010・10・01
一時退院の日 帯津三敬病院にて
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