「骨董ハンター南方見聞録」の島津法樹さんの
道楽と趣味をかねた骨董蒐集の手のうち

第89回
商品学(ミャンマー編)
偽物を掴まない為の5つのチェック項目―だんだん高度になりまっせ

11世紀 パガン仏

と書いてセンと読む。
磚も同じ読みだが前者は粘土で作ったものだ。
日干しや焼締めた陶製のものを言う。
後者は石製である。
ともに磚の表面に仏像や唐草のようなものを彫ったり
押し型にしたりして装飾する為に造られている。
ストゥーパや寺院の内外を装飾する為に用いられている。

ストゥーパの外側には
仏伝図のような信者に仏の教えを説くためのモチーフが多い。
が初めて仏の形で刻まれたのは
インド北部からパキスタン、アフガニスタンにかけてである。
それらはガンダーラ彫刻と呼ばれる。
これらの石彫はこの仏伝を塔の基壇あたりに施したもので
石や漆喰(ストッコ)で作られている。

ミャンマーにもガンダーラと同じような
石製の素晴らしいものがあるが数は少ない。
比較的粘土で作られたものが多い。
中には鉄釉や緑釉を掛け分けした高度な彩色があり、
タイのマーケットに十年ほど前で回ったことがある。
それらは現在非常に高価である。
骨董品はどっと市場に出回った時が買い時だ。

ミャンマーではストゥーパの内部が龕になっていて
その中に仏像が安置されている。
その周囲に写真のようなが壁面全体に貼り付けられている。
壁面に曼荼羅世界を現すように
大小様々なが用いられている。
インドのアジャンタやエローラの石窟寺院の
石彫内部装飾を真似たものかもしれない。

こんな装飾磚が今ビルマ北部のパガンや
中部のマンダレイあたりからタイのマーケットに出回っている。
とても良い買い時なので旅行なので
行かれたとき入手されることをお奨めする。
偽物には呉々もご注意。

《本物、偽物の見分け方》

本物は
1、に水を付けるとぷんと強い埃っぽい匂いがする。
2、表面をチェックすると植物の根などが炭化して食い込んでいる。
3、自然の風化による表面の摩滅がある。
4、黒いカビ状の時代の痕跡がある。
5、裏面や側面の箆削りの時小砂の引張りがある。
などなどのチェックをすること。健闘を祈る。

11‐12世紀 パガン遊行仏磚

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