中国古陶磁器 そのロマンを求めて-天青庵

単なる美術品ではございません

第251回
時代の様式美

下の画像のような模様の焼き物を「青花磁器」と呼びますが、
この青花磁器ほど世の中に氾濫している焼き物はありません。

中国製だけではなく、
伊万里焼などの日本製、又オランダ始め
広くヨーロッパでも
このような青と白の焼き物は沢山焼かれています。

更に、青花磁器はそれらの国において
数百年の長い間焼き続けられてきましたので、
一つの青花磁器がどの国の
どの時代に焼かれたものかを識別するのは
大変困難な作業となります。

特に、陶磁器を専門的に勉強していない一般の方にとっては、
どれも同じようなものに見えるのは当然の事でしょう。
しかし、慣れてくると
青花磁器の識別は案外容易な作業となります。

これは、自動車やファッションなどと同じです。
勿論、車や洋服に全く関心のない人は別ですが、
それに興味があり、ある程度の知識を持っている人なら、
その自動車が「日本車なのか?欧州車なのか?
現代作られたものか?1960年代に作られたものか?」
ぐらいの認識はすぐにできるでしょう。

ファッションでも同じです。
お洒落に敏感な人にとって
「今年の流行、5年前の流行、30年前の流行、
30年前に流行ったもののリバイバル」
などは一目見ただけで分かるでしょう。

また「アイドルグループなんて皆同じ顔をして
誰が誰か全くわからないわ」
というおばさんに対して、熱烈なファンの方達は
「一人一人凄く個性があるじゃん、なんで違いが分らないの?」
となります。

陶磁器も全く同じです。
陶磁器にもそのような時代時代の特色や様式美が存在します。

それを掴むのには大した苦労は必要ありません。
焼き物に興味が出て来れば
自然と違いが認識されるようになってくるものなのです。

青花磁器が発明された元時代の様式
自由奔放に描きたいものを描いている
 
青花磁器が発達した明時代の様式
余白の美を意識する作品が増えた

青花磁器が究極の域にまで達した清時代の様式
完全に格式化され、図柄に一分の乱れも無い
 
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2009年5月18日(月)

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