三分間スピーチで存在を示せ 「貴人」の心をガッチリつかむ方法
自分にとっての「貴人」とは?
人脈というコトバがあるように、人と人のつながりは殊のほか、大切である。その人に出会ったことが出世のきっかけになり、道がひらけていく生涯の恩人ともいうべき人がある。そういう人のことを中国語では「貴人」と呼ぶ。「貴人」とは身分の高い人のことでなくて、自分の手引きをしてくれる人のことなのである。
四柱推命とか、人相、手相とか、およそ占いに属する分野の講釈を受けていると、必ずのように「いつごろ貴人に出会います」「この時期は貴人が事を主導してくれます」といった言葉を耳にする。それをきくと、老いも若きも、「有り難い話だ。これで運がひらけます」と目を輝かせる。社会的に出世するにしても、金持ちになる人でも、必ずきっかけをつくってくれる人があることを私たちは経験的に知っているからである。
しかし、その人が東から来るか、西から来るのか、それともこちらがそっちの方向に向かって動いていかなければならないのか、さっぱりわからない。そこで、不遜にもそういう方向を教える神がかった人が現れる。中曽根康弘さんなどはそういう人のいうことに耳を傾けて、その方向に借家さがしをしたら、長島茂雄さんの家に辿りついた。しばらく住んでいたら、予言通りに、なりたい総理になったのだそうだが、私は中曽根さんが総理になる前からこの話をきいていたので、「冗談と思っていたのが本当になったなあ」と思うよりは「政治家という明日をも知れぬショウバイのはかなさ、もろさ」をしみじみ感じさせられた。
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