いずれにしても、そういう人は自分の目上の人であり、多くの仕事を抱えた人であることは間違いないから、その人に認めてもらうのに、最初の第一印象が大切である。
俗に「一目惚れ」というが、男に惚れてもらうのだって、やはり第一印象が決定的影響をあたえる。もっとも「人は見かけによらない」という面もあって、最初はとっつきが悪いが、つきあっているうちにだんだん人柄がわかってくる場合もある。だから、一概にはいえないが、シンデレラ的出世をしようと思えば、そんなことはいっておられない。「貴人」に最初に出会う時間は、おそらく月が太陽に重なる日食の時間ほどの時間もないだろう。
たとえば、一万人も社員のいる会杜で、平社員が社長に呼び出されて報告をさせられるとか、三日間も旅行のお供をさせられて、ゆっくり話をきいてもらえるようなことはまずない。仮にそういうことが起こったとしても、やはり最初の五分間ですべてが決定してしまう。報告の要領が悪くて、もたもたと何を喋っているのかわからないようでは、「頭が悪い」か、「事務処理能力がない」かで、たちまち落第してしまう。したがって短い時間に、核心をついて、問題の提起をし、自分のいいたいことをいえる訓練をしておく必要がある。
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