仙人の方は、もうこの世の欲は大抵、卒業しているから、雲かカスミを食って生きているのは頷けるが、まだ年端のいかない、食い盛りの童子の方は、一体、何を食べて生きているだろうか。そのへんの記述がないので、つい心配になってくるが、仙人が羽化登仙の世界に生きるためには、童子を常に身辺にはべらせる必要があることはまず間違いない。いつも若い者のそばにいて、若さの発するテレパシーの中に起居していると、老化して行くことを忘れることができるらしいのである。
以上は、中国人の空想の世界に生まれた仙人の生活条件であるが、私たちが、必ずいつかは年をとり、定年になって第一線から退く日があるといっても、それから先を家に引っこんでひたすら空想の世界にだけひたっているわけにはいかないであろう。「仙人」の思想をそのまま私たちの現実の生活環境に応用しようとすれば、生活態度の上で、時間の経過を否定するような、初心のところにとどまる必要があるのではなかろうか。
それからまた年をとったからといって、庭いじりばかりしているのではなくて、初心を持った若者たちの間にまじって、自分の初心の再確認をすることが必要なのではあるまいか。
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