東京と地方に距離はない
日本の都市の発展の仕方を見ているとわかることだが、日本人は経済も文化も物の考え方もすぐ横に拡がろうとする。
工業社会は、本来、中央集権的な傾向があるので、工業が発展すると、そこへ人も物も集まってくる。人も物も集まれば、都市が形成される。日本の場合は、たまたま、東京とか、名古屋とか、大阪とか、既存の大都市の周辺で、工業化がすすめられたので、工業の発展は大都市集中型の展開になった。ただし、大都市集中といっても、現実に大都市のド真ん中に工場を建てる余地はないから、郊外に工場群をつくり、その周辺に人口がしぜんと集まった。おかげで衛星都市があちこちにできあがり、「首都圏」とか、「名古屋工業圏」とか、一つの大都市を中心として、まわりに工業地帯が形成されるようになっている。
ところが、その場合、日本はアメリカのような広大な国でもないのに、都市は横へ横へと拡がり、農地をつぶして家と家をつないで行く。工場で働く人が工場の周辺にニュータウンをつくるのならわかるが、都心部に通勤する人々までが郊外へ郊外へと移り住むようになり、大都市の延長が田舎まで拡がって行ったのである。
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