ガマンションに住む功罪
マンションと名のついたものを、東京で一番はじめにつくったのは、私の知る限りでは宮田慶三郎というお医者さんあがりの実業家で、渋谷の桜ケ丘というところにできたのがその第一号であった。それまでの共同住宅はアパートと呼ばれていた。
アパートと一口にいうが、木造の長屋から小石川アパートのような鉄筋コンクリートの大規模なものまでいろいろある。
一方マンションといえば、もともとは大邸宅のことを指したが、イギリスでいつの頃からか、宏壮な建物に何とかマンションという名をつけるようになった。日本人は外来語を巧みに自家薬籠中のものにする才能があるから、うまいところに目をつけたことになる。
以来、木造アパートと区別するために、鉄筋の共同住宅をマンションと呼ぶようになった。
ヨーロッパにおいては、××荘という意味で××マンションという名がついているが、マンションという独立した呼称はない。マンションもアパートのうちであり、アメリカに行くと、これがコンドミニアムという名称に変わる。
いずれも日本語のマンションと内容的にはほぼ同じだが、日本のマンションに比べると、面積も広いし、機能的にできている。共同住宅としては、日本のマンションが一番コンパクトにできているが、居住性に問題がある。
これは、もちろん、日本の都会地の土地が突拍子もなく高価なことからきているが、日本人の平均所得と照らしあわせると、結局、十坪とか十五坪とかいったスペースになってしまうのである。
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