「お化粧をやめてからまた派手なカッコをしなさいとおっしゃったのはどうしてですか?」
「そばにいても目につかなければ、いないのと同じじゃない?いないと思ったところへふいに派手なお化粧をして現れたら、新しい人にあったような感じになるのよ。ちょうど貧乏人が白米に出あったようなもので、白米みたら玄米の味なんかまずくて食べられなくなるでしょう。おいしいとわかっても、思うようにあたえなければ、あちらは古くなって、こちらが新しくなるし、あちらはいつでもあえて、こちらはなかなかあえない人になるの。いつかあなたのおっしゃった妻とお妾さんを入れかえるようなものじゃないの?」
朱はとても喜んで、恆娘と無二の親友になり、秘密は何でも打ち明ける仲になった。
何年かたって恆娘は朱に言った。
「あなたと私は本当の仲よしですから、もう生まれをかくす必要もありませんわね。いつか打ち明けようと思っていたのですけれど、私は本当は狐で、幼い時に継母に都に売られてきたのです。でも夫が私のことをとても大事にしてくれるものですから、なかなか逃げ出すことができず、とうとう今日までのびのびになってしまいました。でも明日は私の父がこの世を去って仙人になる日なので見舞いに行くことになっています。行ったら、もう私は戻ってまいりませんの」
朱は恆娘の手をとって泣いたが、翌日また朝早く行ってみると、恆娘の姿が見えず、家中が大騒ぎをしていた……。
以上のオハナシからもわかるように、中国人の女性の知恵はタダの人間の知恵ではない。それはキツネの知恵ともいうべきものである。西洋の女たちは人類の仲間にも入れてもらえない子宮を持った人間にすぎないが、中国では女は男を化かすキツネの知恵を持った超人的な存在なのである。女の前に出ると男たちがなぜ尻尾をまくか、そのわけがおわかりいただけたと思う。
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