男の苦労を誰が知る?
中国の女性のあの強さは、一体いつ頃からはじまったのであろうか。つい何十年前、つまり私の親の代あたりまでは、男がお妾さんを持つのは社会習慣として公認されていた。うちの女房の親戚には、妻妾あわせて八人もいた家があり、八人が同じ屋根の下で暮らしていたばかりでなく、割合に仲がよかったので、マージャンをやる時は八人で、一卓のマージャン台を囲んだものである。
もっとも仲がよいといっても、女性の心理には微妙な陰影があるから、お互いに牽制しあうところもあれば、誰と誰とが特に仲よしという派閥の暗闘もある。どうしてかというと、第一夫人は夫に二号さんができた時、自分から夫を奪った二号さんに同じ思いをさせるために、三号さんの世話をしたし、二号さんは、三号さんに対する夫の寵愛を消滅させるために、四号さんを連れてきたからである。どうやら女の争いも、一対一だとしのぎを削るが、七人も八人もになると、皆で同じ思いをさせられるから、気分もやすらかになってしまうものらしい。しかし、そういう時代でも、第一夫人の勢力は強かったし、家庭内における序列は厳然としていた。
この五十年間に、中国の近代化がすすみ、一夫一婦制が定着すると、もともとキツネの知恵で生きてきた中国の女性たちは、家庭内における経済力も握るようになった。中国人の女の人で、夫にどれだけの収入があるか、また経営をやっている人なら、夫の会社の経営状態がどうなっているか知らない人は滅多にいない。
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