新しい成長産業に賭けよ!
仕事を覚えるためなら、大きな会社に勤めるよりも、小さい方がよいと私は言った。しかし、もちろん、ただ小さいだけでよいと言うわけではない。小さいなりに成長産業に属していることも大切だろうし、できればその社長がよき指導者であってくれるにこしたことはない。
ところが、大抵の人は基礎もしっかりしていて、歴史もある大企業を選びたがる。その方が月給が遅配になったり、会社が倒産する心配がないと思うからである。確かにその通りであるが、完成した企業には緊張感がないから、勉強をするチャンスは少ない。また人材が揃っているから、部分的な仕事しか任せてもらえないし、その分だけ出世の確率も低い。従って、本当に張りつめた気持ちで仕事をしたい人は、世間の常識をある程度、無視して、いまは小さいが将来、大企業になりそうな企業に就職するか、そうした企業の創業に参加する方がよい。
たとえば、今から三十年前の証券会社は、「株屋株屋」とさげすまれ、堅気の商売とは思われていなかった。企業のスケールも小さかったから、大学出で証券会社を志望する人はほとんどいなかった。一方、職業軍人を選んだ人々は戦後、占領軍からバージを受け、公職につくことができなかったので、飯にありつくために、やむを得ず株屋に入社した。そうしたら、それから間もなく経済成長がはじまり、株屋の中には巨大化して全国組織で営業をするものも現われたので、期せずして大企業の重役陣に名をつらねることになった。そういった意味では、レストラン産業もひと頃は大学出からふりむきもされなかったが、最近は上場する企業も多くなったし、まだ無名の企業の中にもこれから飛躍的な発展を遂げるものが次々と出現するはずである。そうした企業の経営者は大抵、垢抜けのしない人が多く、指導してもらうどころか、こちらが逆にたよられたりする場合も多いから、考え方によってはそれだけやり甲斐もあるし、立身出世のチャンスも多くなる。
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