二十一歳の時に考えた職業と、二十四歳になって考えた職業は全く似ても似つかぬものであったし、まして三十一歳になってから実際に従事した職業の方向は、少し前に想像していたものとは全然違ったものであった。
私の場合は早かったのか、遅かったのか、何ともいえないが、職業を自分で選ぼうという意識にかけてはかなり早熟であったけれども「これが一生の仕事である」というものにぶつかるまでに少なくとも、七、八年の歳月はたっている。だから、遅いともいえるが、二十五歳から三十歳までの間に、自分がかつて選んだ職とは違った自分に向いた職業の選択をやっている。
若者たちが、こうした再選択をやろうとしても、今の大企業の経営者たちはおそらく受け入れてくれないだろう。しかし私ならそれを受け入れる。選択をした結果、私の元から去って行ったとしてもそれは当然のことだと考える。なぜならば、この年齢期こそ、職業の再選択期であると私自身が信じているからである。
では何を基準に、再度の職業選びをしたらよいのであろうか。大学を出たての頃は、自分の能力よりも、カッコのよさというか、世間の流行というか、夢をそのまま現実と重ねあわせたような選び方をする。評判の高い大企業に就職すれば、自分もその名声を享受するような錯覚をおこす。しかし、社会に出て五、六年も浮世の波風にもまれれば、自分の能力の限界もわかってくるようになるし、また自分がどういう仕事に向いているか、どういう仕事に興味をもっているか、大体、見当もついてくる。だから、自分に勤まりそうな仕事で、なおかつ将来性に賭けることのできる仕事が見つかったら、それにこしたしあわせはない。ただし、誰でも大将がつとまるわけではないから、自分の器の大きさを自分で測ってみて、器にあった選び方をする必要はある。
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