"次はここだよ"新興国投資術-戸松信博

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第24回
山東羅欣薬業

山東羅欣薬業への訪問は、
ちょうど世界的な株価暴落が重なったこともあいまって、
実際に自分の目で見ることがいかに重要かを再認識できました。
山東羅欣薬業の印象ですが、
訪問した場所はかなりの田舎でした。
しかし、車を空港に用意してくれて、
会社に到着すると門の前で、
役員2人(ともに30台前半)が
「熱烈大歓迎」の電光掲示板付きで迎えてくれました。

あいさつもそこそこに、
すぐさま暗い大部屋に通されると会社の宣伝ビデオがはじまり、
続いてショールームで会社の沿革のプレゼンをうけるという
マニュアル化されたような進行でした。

一連の流れは「共産党大会」の拍手パチパチのような、
お決まり演技のようで、
内容的には印象がないですが、
なにしろ業績がどんどんよくなっている事が確認できました。
少し財務内容を見てみても、
ほぼすべての経営指標が3ヶ月ごとに向上しており、
販売管理費などコスト比率も削減し、
結果粗利益率、営業利益率、純利益率
すべての収益率がよくなっています。

同時に財務面でも有利子負債額が減少、
一方で利益は上がっていますので、
インタレストカバレッジ
(有利子負債利払い額の何倍儲けているかを表し、多いほど良い)
は前通期の12倍より、
第1四半期では26倍に、
第2四半期ではさらに38倍となり、
安全性と収益性が同時に強化されてた賜物です。
これらを訪問時にも確認し、
弊社では今期の売上額を前年同期比65%増、
来期はさらに57%増と大幅修正し、
利益もその売上水準で修正を今回行いました。

また、広い敷地にある
キレイな工場をこの目で確かめることができ、
経営陣の若さとともに
誠実でまじめな会社という印象を受けました。
成長が本格化しそうで
今後も目が離せない成長株というところでしょうか。

このように自分の目で確かめていれば、
先日のような暴落の時に思い切って拾うことができます。
日本の企業というのは名前から、
あるていどその会社の行っている業態がイメージできますが、
中国企業の場合、
イメージすらつけられない場合が多いと思います。
そして実際のところ、
上場企業や有力と言われている企業と言えど、
実際に見てみるとその中身が
想像とは全くの別物だったりすることもよくあるのです。
だからこそ自分の目で実際に見て、
確かめることは重要です。

 
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2007年8月30日(木)

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