"次はここだよ"新興国投資術-戸松信博

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第144回
CASH IS KING

現時点でもベトナムで企業訪問をしてみると
「うちは大丈夫・・」といったようなコメントが返ってきますが、
このあたりの問題をどう乗り越えるかが、
ベトナムの不動産市場全体にとっての1つの大きな問題です。

年末には多少なりとも
倒産してくるところがでてくるのではないでしょうか。
そして銀行の不良債権が増えることになるでしょう。

といっても、
今の米国のように大手銀行が潰れる・・・
といったようなほど大きな問題ではない
(ベトナムではまだ不動産市場や証券市場が
非常に小さいことが逆に幸いしている)のでしょうが、
本格回復までには
まだまだ時間がかかりそうなのは言うまでもありません。

もっとも、マンションの長期的な観点に立った俯瞰を言えば、
需要と供給ベースでは、
依然として潜在需要に対して供給が追いついていない状況です。

つまり先進国と違って、
実需ベースで住みたい人のマンションが
まだまだ足らない状況なのです。

したがって価格を安くしさえすれば・・・、
たとえば、前回のホアンアインザーライの
リバービューマンションの例で言えば、
バブルになる前の1500ドルレベルの価格まで落とすのであれば、
まだ売れる状態です。

まぁ、バブル分が弾けて
元の状態に戻った状況になってきているということです。

ですから、まだ、資金があって
(あるいはこのギチギチに金融の蛇口を締められている中で、
大きな資金を調達できて)
開発を継続できるような大手不動産企業はまだ良い方ですし、
逆にcash is king ですから、
資金を活かして有利な展開も可能です。

しかし大半の不動産企業は資金不足で
開発自体が困難になっています。
(だからこそより供給が減って、
開発を継続できるところは有利なのですが)
年末までの不動産業界については
注意深く見ていく必要があります。




 
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2008年10月23日(木)

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