"次はここだよ"新興国投資術-戸松信博

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第143
ベトナムの不動産市況は年末迄が正念場

今回はベトナムの不動産市況のお話しです。
ベトナムの不動産市況のピークは先進国よりも少し遅れて
07年末から08年年初にかけてぐらいでした。

ホアンアインザーライのリバービューマンションなどは、
当初平米1500ドルで売ろうと計画していたところ、
景気がよくなったので1800ドルにしようと思ったら
寸前で更に状況がよくなり、
結局2800ドルで売り出しましたがそれでも人が大殺到しました。

これが08年年初あたりの話しです。
しかし、その後インフレが本格化して
政府が金融の蛇口を「ギュッ」と一気に絞り込んで、
金利を引き上げた上、
銀行の貸付を年率30%の成長までと制限してきたものですから
さぁ大変。

07年末から急激に融資が膨らんでいたものですから、
それまでに既に08年の限度枠となる前年の30%増の融資は
融資してしまっていて、貸し出す枠がなくなったのです。

これで不動産市場に一気に資金が廻らなくなったので、
不動産市場は一気に冷え込み、ました。

問題はこの時に、つまり07年11月ぐらいから
急激に不動産バブルになったものですから、
銀行が不動産企業に多額の融資をしたことです。

統計的には07年末〜08年年初に急激に貸出しが増え、
それがさらに不動産バブルを加速させ、
ベトナムのインフレを助長させる原因となりました。

ベトナムの銀行からの企業への貸付契約は通常1年単位です。
したがって急激に増えた貸付の更新が
11月ぐらいから行われます。

しかし、不動産市況は相変わらず冷え込んだままですし、
当時から比べると現在は金利が驚くほど上昇していますので、
不動産企業は返すに返せませんし、
銀行からしてみると、
見通しのつかない企業に資金を貸したままの状況にしておくか、
貸し剥がしをするか・・・
といった困った状況になります。




 
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2008年10月21日(火)

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