"次はここだよ"新興国投資術-戸松信博

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第160
ハウザン製薬

ハウザン製薬はベトナムトップの製薬会社です。
国内の製薬会社のみに限ればシェア12.5%、
輸入品も占めた場合、6〜7%のシェアとなります。
最も有名なのはハパコールという風邪・頭痛薬ですが、
製造品目数は全部で274品目あり、
抗生物質、目薬、心臓薬、ビタミン剤など多岐にわたっていて、
ハパコールでも売上に占めるシェアは15.1%しかありません。
そういう意味では非常にバランスのとれた
商品構成となっています。

ハウザン製薬の最大の特徴は
全国規模の自社販売ネットワークを持っていることです。
同社のライバルであるイメックスファームやドメスコなどは
これを持っておらず、
ハウザン製薬の強いアドバンテージになっています。
というのも、中国の製薬会社も一緒ですが、
ベトナムの製薬会社はまだまだ自社開発能力がなくて、
薬の成分はほとんど先進国の薬のまねっこです。
ですから、製薬会社による製品の差というのは
ほとんど存在しません。
だからこそ、独自の営業ネットワークがあるというのは
非常に大きな力になるわけです。
販売力が命という構図でしょうか。

ちなみに、ハウザン製薬はクーロン製薬から
車で1時間30分ぐらいのところにあります。
メコン川をはさんでいるので、途中フェリーに乗っていきます。
クーロン製薬を訪れたあとだけに、
社屋はもちろん、社内体制や管理など、
やはり大きな差がありました。
とにかくハウザン製薬は全てがしっかりしています。
(ベトナムの企業としては)
海外の機関投資家も多数投資をしていて、
財務内容も強固です。
非常に安心感があります。
しかし、安心感があるゆえに
株価はそれほど割安ではありません。
また、規模が大きいだけに、
成長はクーロン製薬よりも緩やかです。

どちらを評価するかは
その人の好み次第というところでしょうか。




 
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2008年12月18日(木)

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