"次はここだよ"新興国投資術-戸松信博

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第161回
ホアンアインザーライがついに上場

このコラムでも何度か取り上げてきました、
ベトナムの不動産大手のホアンアインザーライ(以下、HAG)
が12月22日に上場しました。

同社の上場はちょっと異色の上場となりました。
というのも、従来、ベトナムの新規上場の際に設定される
基準株価は、上場前の店頭取引(OTC)での株価に対して
高く設定されるのが常だったからです。
しかし、昨今の相場事情ですから、
そのように設定された株価は上場後に急落する・・・というのが、
近頃の新規上場の株価のパターンでした。

しかし、HAGはOTCの株価が5万5000ドン前後であったのに対し、
基準株価設定を4万ドンと設定しました。
KPMGなどによって計算された純資産価値が
1株あたり8万ドン以上とされ、
戦略機関投資家の1社であるSSI証券が
8万ドンの基準株価設定を希望していたにもかかわらずです。
もっとも、最近の新規上場で、
上場後に株価が急落するものですから、
VN指数に悪影響がでるということで、
そういう価格設定は止めた方が良いとの、
ホーチミン証券取引所からの指導があったのかもしれませんが。

HAGのドゥク会長は、
結局のところ相場水準とかけ離れた株価設定にしても、
結局株価は市場が決めるため、
結局はあるべき株価に落ち着く。
しかし、高い株価設定にすると、
これまでの例からも急落していく可能性が高く、
それは見ていられない・・・といった内容をコメント。
結果としてはこれらのことが好意的に受け止められ、
HAGの株価は22日はストップ高
(初日は基準価格から±20%が値幅制限となる)となり、
ほとんど売りもはいりませんでした。

このあたり例を見ても、
ドゥク社長は今のベトナムの上場企業の中にあって、
(良い意味で)異端な経営者だと思います。




 
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2008年12月23日(火)

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