"次はここだよ"新興国投資術-戸松信博

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第168回
業績好調な中国ネットゲーム企業に注目

金融危機の影響で、
中国製造業の輸出成長率が明らかに減速している一方で、
ネットゲーム会社の海外売上は急成長しています。

08年の中国ネットゲーム製品の海外売上は
1億米ドル(約90億円)を越え、
今後、海外売上の成長率は国内売上を超え、
成長率は100%以上に達する見通しです。

日本にも進出している中国ネットゲーム会社では
最大の海外売上を持つ企業である完美時空
(米国ADR上場 コード:PWRD)を例として見ると、
同社の08年1月~9月の海外売上は
1900万米ドル(約17億円)に達し、
前年同期比で約2倍の急成長となっています。
なお、同社は08年12月に2300万米ドル(約20億7000万円)で
台湾ゲーム開発企業の昱泉国際(台湾上場)の子会社を買収し、
さらに勢いずいています。

このように、海外進出を進めている
中国ネットゲーム企業はたくさんあります。
香港上場企業では金山軟件(3888)。
08年10月末に、マレーシアで子会社を設立しています。
金融危機によって海外のネットゲーム企業は倒産したり、
開発費を大幅縮小している一方で、
これらの中国企業は積極的に拡大投資を行い、
人材の確保に注力しています。

金融危機発生後、ネットゲーム大手の盛大網絡(SNDA)は
リストラも減給もしないと約束した上、
09年に社員の給料と福利厚生を引き上げる計画を立てています。
金酷社(未上場)は3分の1の社員に、
1人あたり最大50万株のストックオプションを付与しました。
そして、盛大網絡、網易(NTES)、第九城市(NCTY) などの
大手ネットゲーム会社は今でも大規模な新卒採用を行っています。

そもそも金融危機はネットゲームの売上には
それほど影響はありません。
むしろ、失業者数の増加、
外出を伴う支出の節約及びスドレス発散、
現実逃避心理などの要因で、
需要は拡大する方向にも考えられます。

ネットゲーム事業の利点として
インターネットを通してのサービス提供であるため、
固定費が定額で、あるラインを超える
爆発的に利益が伸びる傾向があります。
資金回収も早く、人気のある業種ですから、
上場で潤沢な現金を獲得していることが多く、
強固な財務を持つ会社が多いのです。

中国のネットゲーム企業の中でも、
売上が急拡大し、借金がゼロで潤沢な現金を持つような銘柄は
魅力的な投資対象であると考えます。
深く調べてみる価値があると思います。


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2009年1月15日(木)

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