"次はここだよ"新興国投資術-戸松信博

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第171回
いよいよ春節(旧正月)

1月26日は旧暦の元旦で、
いよいよ春節(旧正月)がきました。
そこで今回は春節にまつわる話しを。

中国では、大量の出稼ぎ労働者や
一人暮らしの大学生などが春節の時には、
みんな一斉に帰省しようとするために、
春節前後の鉄道交通量は爆発的に上昇します。
切符を入手するのが難しくなるのですが、
中国ではこの時期を「春運時期」と呼んでいます。

春運時期は毎年40日ほど続き、
大体、春節前の15日から、春節後の25日まで指します。
春運時期には政府が臨時列車の大量設定や、
チケット販売時間の延長など、
様々な対応策を打ち出していますが、
いまだに、駅の窓口で1日並んでも
チケットを入手できないケースがよくあります。
日本だとちょっと考えられないですよね。

インターネットで買おうとしても、
販売開始の数分で、寝台チケットがなくなることが
度々起こってしまうのです。
春節の日に近づくにつれ、指定席は言うまでもなく、
自由席の切符購入すら難しくなり、
切符がないので春節に家に戻れない人も結構多いのです。

09年の春運時期は1月11日から2月19日までと指定されています。
同期間、鉄道の予想利用者数は前年比8%増の
1億8800万人と見込まれています。
このように、中国の経済発展によって毎年毎年、
利用者数が増えていきますので、
春運時期の切符購入は年々厳しくなります。

また、例年ですと春節は2月になることが多いですが、
09年は1月26日と、通常よりも早く、
学生の冬休み開始時間と春運時期が重なってしまうため、
予想以上の混雑になる可能性があります。
また、金融危機の影響で、
失業して帰省しようとする出稼ぎ労働者が増えて
混雑を加速させることも予想されます。
実際、北京、上海、広州などの
大学生や出稼ぎ労働者が多い都市では、
乗客量が前年より2割前後増加しているようです。

その他、切符購入が困難になっていることの要因として、
一般発売前に鉄道部門内部から関係者に
大量に流出してしまう問題や、
ダフ屋の横行(買い占め)などがありますが、
根本的な原因は鉄道輸送力の不足です。

08年11月に発表された4兆元景気刺激策では
鉄道建設に大量の資金が投入されることが話題になりましたが、
実際の需要に供給がまだまだ追いついていないわけですから、
鉄道建設、設備関連企業の業績は明るい状況が続くと思います。

 
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2009年1月27日(火)

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