自腹ゆえに本音、愛するがゆえに辛口。
友里征耶さんの美味求真

第6回
ワインの値付けの判定方法

ビールは一般小売価格が公になっていますから、
どのお店でも大差ない値付けとなっていますね。
600円から800円でしょうか。
いくらなんでも1000円以上で出す勇気の店はないでしょう。
小売の3倍強です。といっても絶対価格が安いですから
店の粗利はわずかです。
そこで、上得意先である飲食店に
軸足を置いた営業方針をとっているビール会社は、
中瓶、小瓶といった一般客にはまったく損なものを開発しました。
店での売り価格はそのままに、
量を減らして店の仕入れ価格を安くして、
店の粗利を増やさせる作戦です。

それでも、ビールは儲からない、手間だけかかると思ってか、
置いていない店が中にはあります。有名店では「アピシウス」。
世界的には立派な食前酒として認知されているはずなのですが。
余談ですが、他に敬遠されているものに「スープ」がありますね。
手間がかかる割に、高い価格で設定できないので、
メニュに載せる店は少なくなりました。
昔は、フレンチの定番だったのに。

本題です。まず、店でワインリストを出されたら、
シャンパーニュのところに注目してください。
高級フレンチ店といえども、
スティルワイン(普通の白ワイン、赤ワイン)より
シャンパーニュをボトルで頼む人は少ないですから、
粗利率は高く設定しています。
でも、どこでも売っている、価格のばれている物が多いので、
誰でも比較できるのです。
シャンパーニュの項を見つけたら、
最初に書かれているノンヴィンテージの
安いものの価格を見てください。
ポメリー、ランソン、ヴーヴ・クリコ、
モエ エ シャンドンなどディスカウントショップの棚にも
置いてあるような大手のメーカーのノンヴィンテージもの
(以下ノンヴィン)は、どの料理店でも置いてあります。
これらノンヴィンテージものは、
うまく買えば小売でも4000円を切って買えるものです。
料理店の仕入れは3000円しないでしょう。
これらのシャンパーニュがリストに7000円近辺であったら、
良心的な値付けをしている店だと思ってください。
小売の2倍、仕入れの3倍近く、粗利で4000円以上ありますが、
抜栓代やグラスの損料がありますからね。
実際、店の値はバラバラです。
6000円以下で売っている店もあれば、
1万円を越えて売る皮の突っ張った経営の店もあります。
つまり、誰でも元値がわかる
ノンヴィンのシャンパーニュの掛け率をみれば、
他のスティルワインの掛け率もわかろうと言うものです。

白、赤ワインはヴィンテージや造り手によって、
そして畑によって小売価格が千差万別です。
なかなかすべてをつかみきれません。
ですから、このシャンパーニュの値付け方針を読み取ることで、
その店の白、赤ワインが絶対価格でなく、
相対的にお買い得なのか、ボリ過ぎなのか判断できるわけです。
でも、このコーナーを読んで、
あまり出ないシャンパーニュだからと考えて、
安く値付けしなおしてごまかすような
儲け主義の店がでてきたら、その限りではありません。
今後はシャンパーニュの値付けの変化に注意しましょう。


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