自腹ゆえに本音、愛するがゆえに辛口。
友里征耶さんの美味求真

第307回
盛況だった三越イタリアンフェア 1

4月のGW前、恒例の三越イタリアンフェアへ行きました。
イタリアの食器や食材、そしてワインのほか、
有名イタリアンが臨時出店しているのが人気なようで、
毎年賑わっています。
今年は、高島屋のリニューアルの
グランドオープンがぶつかりましたが、
気のせいか高島屋が空いていたのは
このフェアのせいだったかもしれません。

まず目指したのは、
毎年恒例のベットラ、ヒロのコラボだったのですが、
今回はこれにカノビアーノが加わっておりました。
落合氏、山田氏に加えて、
イケメンシェフと言われている植竹氏の
3人がアップになっているフェアのポスター。
彼らはここまで認知された
スターシェフになってしまっているのでしょうか。

以前は土日の昼頃にいくと
何時間待ちといったこともありましたが、
今年はせいぜい1時間待ちとだいぶこなれてきておりました。

3シェフの考案した
前菜、パスタ、メイン、デザートがアラカルトの他、
コースが2種、メインまであるフルコースで3500円です。
値付けはベットラに近い。

日曜には落合氏がいらしたようですが、
平日は誰も見かけませんでした。
しかしこの臨時店、
各3店から厨房スタッフを派遣して料理を造っていたのでしょうか。
客席のスタッフはいかにも三越関係といった感じの人でしたから、
奥の厨房もレシピ頼りに
三越の食堂のスタッフが造っているのではと勘ぐってしまいます。
少なくとも、店でのランクが高い厨房スタッフではないでしょう。

ベットラのワラサのカルパッチョ、べちゃべちゃで駄目。
ヒロのフルーツトマトのカッペリーニ、
本店や丸ビルはもっと甘かったはず。
ベットラのクイーンポークのタリアータ、
火を入れすぎて硬く、自分で塩胡椒をふりました。

確かに客寄せには貢献していますが、
本店とはまったく違ったレベルの料理。
私は話のタネとして食べましたが、
三越はどのような意図をもってこの店を出しているのでしょうか。
初めての客に、これが有名3店の料理だ、と刷り込むのは
3店にとっても良いことだとおもいません。
レベルがだいぶ違う。
冷静に味わったら、3店の印象は悪くなります。
また3店の経験者だったら落胆するだけでしょう。
だいたい、この条件では、常連は食べに入りませんね。

店の宣伝効果を考えて名前貸ししているのでしょうが、
ちょっと考えれば店にとって良いことだと思えません。
料理がよく判断できない客層だけを開拓するためとしたら、
本店のこれ以上のレベルアップは望めないでしょう。


←前回記事へ

2004年5月17日(月)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ