自腹ゆえに本音、愛するがゆえに辛口。
友里征耶さんの美味求真

第742回
前評判は良くないが・・・ 赤坂 菊乃井 2

料理は私が訪れたときは
1万5千円、1万8千円、2万円のお約束の3コース制。
冬では、松葉蟹は2万円のコースだけに設定されていました。
先付けとして出てきた汲み上げ湯葉のバチコ入りは、
スプーンがないので食べにくく味も普通。
女性向けに見た目は綺麗な八寸も、
サーモン鮨、菜種、からし蓮根、鱈子の落雁、
アンキモ、カラスミなど一般的なものでまったく驚きはありません。
お造りの鯛や天然のハマチも普通レベル、
メジ鮪の炙りも大根の辛味だけが目立ち、
どこに本場の京料理の凄さがあるのか、
その片鱗さえ見られませんでした。
やはり前評判通りイマイチな店なのかと失望したのですが、
後半でやや持ち直しました。

冬の定番、グジを使った「かぶら蒸し」のお椀は、
好きな食材でもありますがまずまずおいしい。
柴山港のタグ付きの松葉蟹。
二人で1杯の量も充分でしょう。
その他フカヒレの入ったスッポンのスープも、
白トリュフを振りかけていてまずまず。
〆の生イクラご飯、
この時期本当に生だったのかどうかは疑問ですが、
かなりの量で、残りをお土産として持ち帰る事が出来るのは
女性には喜ばれることでしょう。

お酒は千円前後から2500円まで。
しかし、なぜ重い銅製の竹筒に入れて出てくるのか疑問です。
周辺のラブホ地帯、暗い重厚なアプローチ、そして明るすぎる店内と
ジェットコースターのように雰囲気が変わって、
一人当たり2万5千円以上。
カウンター形式なのにサービス料を取るのと、
イクラご飯の持ち帰りの箱代を請求するのは納得いきませんでした。

<結論>
主人の意気込みの割には価格通りの食後感。
悪くはありませんが、
「東京の京料理は高すぎる」と意気込んできた割に、
他の東京の高額店とのはっきりした違いが見えません。
結構価格も高いですし。
帰り際、酔ったフリしてアプローチを真っ直ぐ進みすぎると、
そのままサヴォイへ直行できます。
下心のある男性には理想の立地の店と考えます。


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2005年9月2日(金)

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