自腹ゆえに本音、愛するがゆえに辛口。
友里征耶さんの美味求真

第749回
厨房の戸をなぜ開け放つ?

私は暇なとき、飲食店が点在する地域をよく歩き回っております。
新しい店を見つけるとそのメニュー構成や価格を見、
既に知っている店ならば集客の状況などを確認したりしています。
そんななかで、前から疑問に思っていることがあります。
読者の皆様も気がついていらっしゃると思うのですが、
小さめな1階に位置した店だけの話ですが、
厨房が路面に面している場合、
その扉を開けっ放しにしている店が結構あります。
有名どころでは、「ブルギニオン」や「アンフォール」など。
前を通るとシェフやスタッフが
忙しそうに仕事をしているのを見ることが出来るのですが、
開けっ放しにしておいていいものなのかと
前から疑問に思っていました。

なぜ扉を開けっ放しにしておくのか。
ディスクローズの時代だからといって、
厨房を通行人に見せる必要があるのかどうか。
一所懸命働いているところを見せたい、
通行人に見られることによって緊張感を維持したい、
といったものではなく、単に換気・空調の問題だけではないかと。
個人宅の台所でもかなり暑くて
お困りの方が多くいらっしゃると思いますが、
料理店の厨房は火の使いなど家庭の比ではないでしょう。
かなりの熱量がでているものと推測します。
「ジョエル・ロブション」などの
恵まれたゆとりのあるグランメゾンの厨房ならば、
空調も完璧でスタッフたちもそれほど苦痛ではないと思いますが、
小規模な個人レストランでは
スペースもなく大変なのではないでしょうか。
そういった意味では、
開け放して調理することを否定できないのですが、
衛生面やセキュリティの面ではどうなのだろうかと。

風が強いときだけに限らないと思うのですが、
路面からのゴミや虫、動物の侵入、
心無い人からの変なものの投げ入れ、
など安全面でどうなのだろうかと
ちょっと心配な点が思い浮かぶのです。
仕込みを含めて食材や料理が、
外気と直接触れ合ってしまう環境がいいのかどうか、
料理人の方々のお考えを一度聞いてみたいものだと考える次第です。


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2005年9月9日(金)

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