医師・豊岡憲治さんの嘘のようなホントウの話

第623回
うつ病の大脳皮質の働きを色分けすると…

青色で塗りつぶした所は、
神経伝達物質であるアセチルコリンが100µgに反応する所です。
これは働きが極端に悪くなっていて、
機能停止状態に近い部位です。
手足などを動かす運動野の働きが極端に低下していて、
何をするにも億劫というか、身体が動かない状態です。
動かせない状態と言った方がいいかもしれません。

図1

図1は左大脳皮質外側面です。
左側の頭頂葉から後頭葉にかけて働きが低下していますので、
記憶力も非常に低下しています。
左の運動野の機能低下は右半身の動きが悪くなります。

図2

図2は右大脳皮質外側面です。
側頭葉の働きも低下していますので、
感情面でも問題が生じてきます。
図1も図2も青色の機能低下と色が塗ってない所は
働きがまあまあいい所です。
大脳皮質の外側面では脳が凍りついているような状態です。
皮質に対応した白質の損傷もあるのです。

図3

図3は左大脳皮質内側面です。
橙色は機能が病的に亢進している所です。
白抜きは正常か正常に近い所。
青色は働きが極端に低下している所です。

図4

図4は右大脳皮質内側面です。
ここには病的に働きが亢進している所と
機能が低下している所と混在しています。
図3と図4の外側膝状体に対応する
視覚中枢の働きが低下しているので、
見るものがピンボケになっていると思います。
風景を見てもぼんやりと見える。
色がついていないような風景に見えるかもしれませんね。
帯状回の働きが良くないので、
こだわり、しつこさ、同じ動作や行動、
儀式的な行動などをとりたくなる傾向があります。

図5

図5は大脳の脳底部です。
右側の脳底部には病的に働きが亢進している部分があります。
その他は極端に働きが低下しています。
特に大脳皮質の前の方の部分(眼窩面)の働きが悪いので、
傍若無人的態度を無意識のうちにとるようになります。
本人は、そのことを意識してないので、他人から嫌われ、
どうして他の人は私を無視するような態度を取るのかな?
と悩む原因にもなります。
それがまた鬱状態を悪化させる原因にもなります。
視床の枕核、後外側腹側核、背内側核の働きも
極端に低下しています。
背内側核の働きも低下しているので、不安が強いのです。
小脳の方向感覚を司る所は病的に亢進しています。

一目瞭然、脳が凍結しているな? とわかると思います。
解凍しないといけないですね。
その方法があるのです。
これがインフルエンザウイルスでこうなった場合は
時間がたつと自然と解凍されて良くなる時があります。
いずれにしても治療が必要です。
解凍の漢方薬ってあるのです。


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2008年1月25日(金)

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