中国民俗研究家・上田尾一憲が語る、中国民俗の魅力

第91回
帰ってきた農民画

ここの所、戦争の話やら
お金儲けの話やら、
わけのわからない置物の話やらをしてきましたが、
たくさんの読者の方々からのリクエストもありましたので
農民画をご紹介していこうかと思います。
以前の私のコラムを読んでいただいた方は
お分かりだと思いますが、
農民画とは一体どういうものなのでしょうか。

簡単に説明しますと、
農民が画いた画です。
この農民は片手に鍬を持ち、
もう一方の手には筆を持って、
というような感じで、
主に農民の日常生活を画いているのですが、
その他にも小さい頃の思い出や、
こうなったらいいなぁと思う夢(お金儲けも含む)、
日ごろからお世話になっている家畜に対する愛情なんかも
綺麗に可愛く画かれているのです。
最近ではこのように農業をしながら
画を画いている農民はほとんどいなくなってしまいました。
今では農民ではなく農民画家となり
専門的に農民画を画く人が多くなってきました。
しかし、そのような農民画家達も
昔はちゃんとした農民で、
画の内容もほとんどがその頃の農作業の様子や、
その頃の夢なんかを画いているのです。
農民画家の中でも僕と一番仲のいい
曹金根さんの画を紹介します。

見てお分かりのように中国で有名な
万里の長城です。春、夏、秋、冬。
こんな可愛い画を季節ごとにお部屋に飾れば
心がウキウキしてきます。
今、僕の部屋には冬の画を飾っています。
今まで画を飾った事はなかったのですが
農民画はすごく親しみやすく、
肩を張らずに自然に飾る事が出来ます。
何も無い壁に画を掛けるだけで
ガランとイメージが変わりますよ。


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2006年11月11日(土)

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