第四章 日本の流通業が世界を流通革命する
       米の自由化で明るみに出た日本経済の仕組み

日本の保護政策は産業界を代表する業界では大成功をおさめた
保護貿易は日本人のお家芸の一つである。というのも、貧乏から脱け出すためには産業を発展させなければならないが、そのためには保護奨励をしなければならないというのが明治維新以来の日本のお役人たちの一貫した考え方だからである。
「自由貿易」が強者の理論であるのに対して、「保護貿易」は弱者の思想と言ってよいだろう。自分たちが得意とするものを提供して、自分たちの不得意とするものと交換をすれば、有無相通ずることになって効率があがる。「そのほうがお互いのトクになりますよ」と口説いてその実、産業的に優勢な立場にある強国が一番トクをする。建国以来、そうした旗印をかかげてアジアの国々を口説いてきたのはアメリカであり、現在も同じ考え方で貫いているが、陽が傾いてアメリカの優位が崩れると、はたして今までの立場を維持できるかどうかあやしくなってきた。
ヨーロッパでは、産業的に優位の立場に立ってきたイギリスが自由貿易を主張したのに対して、あとから国家の統一をはたしたプロシアはもっぱら保護貿易をモットーに産業の振興を計った。
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