その反面、為替相場の変動や競争の激化によって、下手をするとメー力ーや輸入商の利益がほとんど吹っとんでしまうのに、一%にせよ、二%にせよガッチリと手数料をとられるので、「みんな利益は商社に吸い上げられてしまうよ」とボヤくメー力ーも多い。それでもNIESの国々のメー力ーが日本の商社に委託するのは、商社にそれなりの役割があるからであろう。韓国の産業界は日本のあとから日本に似た発展を遂げてきたので、商社の存在価値を痛いほど認識している。したがって三星物産のように、まず輸出入の貿易に従事する商社からスタートして傘下に次々とメー力ーをつくり出していった財閥もあれば、現代のように建設業から重工業に着手し、製品を販売したり輸出したりする必要に迫られて商事会社をあとから設立した財閥もある。いずれもそれなりの扱い商品を抱え、韓国の輸出の拡大に伴って次第にスケール・メリットを発揮するようになったが、自国のメー力ーのための原料調達と自国産品の輸出以外の分野にまで進出するのは難しそうである。台湾の場合は、日本の商社と同じ大貿易商の育成を狙って免税その他の特典つきの奨励策まで公布したが、今までのところ日本の商社に匹敵するスケールの貿易商は育っていない。むしろ日本の商社という商社が台湾に支店をおいて、結構、商売になっている。そういうところを見ると、日本以外のところでも商社の金融的、保険的役割が理解されれば、商社の活躍する舞台は残されている。したがって、商社は斜陽化するどころか、日本が生み出した国際的な流通システムとして高く評価されてよいだろう。ただ商社がいくら「ラーメンから原子力まで」を調い文句にしても、商社の守備範囲には自ずから限界がある。たとえば、自動車が扱えないことはすでに周知の事実であるが、サービスを伴う工作機械や事務機器についても、大手メーカーが商社を離れて、それぞれ独自のサービス網を展開するようになった。半導体やハイテク関連の事業についても、商社は虎視耽々として駒をすすめているが、恐らく守り切れなくなって後退するときがやがてくるだろう。すでに半導体専門の商社が次々と上場しているし、コンピュータ専門の商社やサービス会社も成長している。商社が万能でないことは商社自身がよく認識しているが、商社が世界貿易の分野で今後も独自の役割をはたすことは、諸外国でも広く期待されている。

<来週に続く>

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