銀行のお金はいつも決まった道をとおっている
金融機関というけれども、銀行のお金はいつも決まった道をとおっているだけで、新しい道がひらけるまでにはたいへんな時問がかかる。とりわけ海外では情報に暗い分だけ用心深くなり、アメリカの銀行融資団の行列のうしろに並んで協調融資の一部を受け持つのが関の山である。貸金が中南米で焦げついたりしたのも、そうした自主性のなさに端を発している。海外勤務の休験をした者が銀行の中枢を占めるようになるまで、この融通のなさは到底改善される見込みがありそうもないのである。
その点、証券会社の国際化のほうが一歩先を進んでいる。その理由は、もともと証券会社の扱っている商品が株とか、債権とかいった不安定要素の強いものであり、臨機応変の対処を強いられているからであろう。また日本国内では、既存の銀行に牽制されて思うように銀行業務に割り込むことができないが、外国ではもともと銀行と証券は同じ畑の仕事で、銀行業務も自由にやれるから、魚が水を得たように縦横の活躍ができる。日本の企業が海外で起債をする場合の幹事をつとめることもできるし、外国政府や外国企業が円建ての起債をする場合の幹事をつとめることもできる。また日本の生保やその他の機関投資家が外国の国債を入手するときのブローカー業務を手がけることもできる。株式についても、これだけ日本人が金持ちになれば、外国株を買うチャンスもふえる。しかし、円高傾向が続く限りドル建ての投資を円資金でやっても為替差損をかぶるだけなので、日本人の外国株投資は今のところまだうまく盛り上がっているとはいえない。日本人のアメリカ株、ヨーロッパ株投資よりは、外国の機関投資家による日本株買いのほうが商売になるし、日本の経済が発展し続けているだけに、成功のチャンスは大きい。外国人に日本株の売買をさせることなら、証券会社の最も得意とするところだから、授とんど危険負担はない。海外の情報も要らないし、株が下げて投資家が損をしても弁償を迫られる心配もない。海外では証券会社のほうが銀行より自由闊達な活動ができる立場にあるといってよい。
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