ただし、力メラや電気製品などの日本製品を国内で買うほうが香港やニューヨークで買うより高いという奇現象はしばしば起っている。自分の国でつくった物でさえ自国が一番高いという国に、日本人は平気で住んでいるのである。
工業製品のような日本人の得手とするものでさえそうなのだから、最初から守勢に立たされている農産物についてはいわずもがな、である。政治家やお役人は、生産者を保護する姿勢を崩さないばかりか、自ら生産者と消費者のあいだに割り込んで、集めてきた税金のバラまきをやる。また輸入食品については、国産品との差益を公団が吸収して、消費者にことさらよけいな負担をかける。こうしたよけいな介入をやめて二次産業と同じように、一次産業も思い切って自由化したら、おそらく食料品の値段は今の半分、あるいはそれ以下に下がっていることだろう。もっとも農産物の輸入を自由化したら、日本国内の食料品の値段が東南アジア並みといわないまでも、せめてアメリカ並みになるか、というと、たぶんそうはならないのではないか。輸入商品の国内価格のあの高さをみれば、日本における価格構成は非能率な流通業者でもメシが食えるようにつくられているのではないか、と思いたくなるほど不合理なものである。
たとえば、ヨーロッパのブランド商品を、ヨーロッパから香港へ運ぶのと、日本へ運ぶのとでは、手間賃、運賃のうえでほとんど差違はない。税金にしても、香港は免税だが、日本だって今や世界一安くなったのだから、コスト的にはせいぜいわずかの程度のひらきしかない。しかし、それが日本へ入ってくると、少なくとも香港の二倍、もしくは三倍の値段で売られるようになる。ということは、儲けはほとんど流通過程で吸収されるということであり、外国製品も加工食品も自国産の工業製品でさえも、自国内の流通経路をとおると、他の国々と比べ物にならないほど高くなってしまうということである。とりわけ原材料を輸入して国内で加工をする場合は、輸入価格がどんなに安くなっても、売価を引き下げる動機にはならない。たとえば、小麦や大豆の値段は、ドル安円高によって半分になっているのだから、その製品であるパンや豆腐も半額になってよさそうである。それがそうならないのは、自由競争の原理が働かず、価格の機能がバカになっているからである。

←前ページへ 次ページへ→

目次へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ