先にも述べたように、日本の政治家や官僚が生産者の味方ばかりして消費者の立場を無視しているために、自由競争の原理が日本国内で働いていないことは事実だが、日本からの輸入攻勢で貿易赤字に悩んでいる国々の人々が日本人が何を買いたがっているか、日本人の消費性向がどんなものか、ほとんど研究していないこともまた確かである。日本人がアメリカやヨーロッパの市場リサーチをしている半分も、欧米の人々が日本の市場をリサーチしていたら、事情はかなり違ってくるだろう。また、日本が外国に輸出している商品のほとんどが付加価値商品で、輸出金額のなかで原材料品の占める割合が、たとえば一○%か、二○%であるのに対して(付加価値以外で最も大きな部分を占めるのは加工費であり、加工費のなかで最も大きなパーセンテージを占めているのが労賃である。労賃の高いこと、付加価値の大きいことが日本人を豊かにしているのである)、アメリカからアフリカの発展途上国に至るまで、日本が輸入をしている商品は原料か、素材か、半製品が大半を占めており、航空機とか、コンピュータとか、
自動車とか、ファッション製品など、付加価値商品はほんのわずかで、
日本に対する金額的な劣勢を力バーすることはとてもできないのが現状である。
このため、貿易上のインバランスはひらく一方で、インバランスを是正すべく為替相場が円高に動くと、日本人はさらにコスト・ダウンに励んでそれに対抗する。インバランスを改善するためには思い切って日本からの輸入を制限するとか、北朝鮮のように支払い不能におちいることを日本側がおそれて輸出をしぶるようになる以外に妙法がない。
しかも悪いことに、アメリカはドルを印刷して当座をしのぐことができるから輸入は減らないし、外資の少ない発展途上国も一度、自動車を利用したりすると、ミャンマー(ビルマ)やバングラデシュのような貧乏国でさえも、人々はバスの窓の外のとめ金にぶらさがってでも、バスを利用するようになるから、いくら債務がふくらんでも、輸入をやめようとはしなくなる。かくて世界中が債権国と債務国に二分され、アメリカのように債権国からいきなり世界最大の債務国に転落した先進国もあれば、中南米の国々のように借金に借金を重ねて支払いもままならない国も多くなる。その中にあって日本と
NIEsの国々だけが黒字を続け、中でも日本がダントツに外貨を稼ぐ立場に立っている。

<明日に続く>
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