横山典生  新米のベトナムビジネス物語

ベトナムの証券会社で
唯一最初の日本人社長です

第46回
社長の条件(前半)

時間を少し前に戻します。
サクラ証券は、2009年1月16日にベトナム金融庁(SSC)から
正式に証券会社としての免許を取得したのですが、
ベトナムの証券会社の社長
(ベトナムでは、General Directorと総称されます)
になるためには、幾つかの条件があります。

私自身に社長としての資質が備わっているかどうかは
明確ではありませんが、
まず一定の資格を取得しなくてはなりません。
もちろん、日本でも証券会社の営業職などは、
外務員資格などを取得することが要件となりますが、
ベトナムの場合はレベルの高い資格の取得を義務付けています。

証券業を営むものの資格は、3つに分けられます。
※1→3と難易度が増してゆきます。
1.ブローカー業務資格
2.分析(財務・アナリスト)資格
3.ファンド業務資格

この内、2段階までの資格を持っていないと社長にはなれません。
しかもこれらの試験は、年に2回予定されているだけで、
受験機会が非常に限られていました。
さらに、市場の暴落の影響もあって
2008年度は8月に1度行われただけで、
2009年度を迎えていたのです。
サクラ証券の正式ライセンス取得の少し前ですが、
これらの試験が、どうやら2月になるという情報が
舞い込んできました。

この資格については、開発途上の国では、
かつて香港やシンガポールがそうであったように、
日本の外務員資格を保有し、かつ、
相応の学歴とともに実務経験があれば、
免除するというのが普通です。
この免除制度がある(あるいは、形式だけで通してくれる)
という間違った情報に私はすっかり安心しきっていたのですが、
よく確認してみると大変なことが良く分かりました。

まず、日本の外務員資格保有者は、
上記1については免除されますが、
それ以上の資格については試験を受けて
合格しなくてはなりません。
しかも各資格ごとに複数の講義を受け、
それぞれの講義終了試験も合格していなくてはならないのです。

どうしましょう。
試験に失敗して社長になれないので帰国しますじゃ、
シャレになりませんよね。


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2009年11月17日(火)

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