横山典生  新米のベトナムビジネス物語

ベトナムの証券会社で
唯一最初の日本人社長です

第47回
社長の条件(後編)

証券業を営むための資格取得について、
SSC(ベトナム金融庁)及びSSCの外部団体である
トレーニングセンターと表から裏から慎重にかつ大胆?に
協議を致しました。

2009年1月7日だったことを記憶していますが、
結論は、資格1のブローカー試験は免除する。
そのかわり、私のためにベトナムの証券取引法の特別講義を
英語で設けるので、それを受講し受講終了試験にパスすること。
その試験にパスしたら、
資格2の分析(財務・アナリスト)資格受験を認める。
というものでした。

資格1のブローカー試験免除のための特別講義は
9日13時から4時間、その後直ちに終了試験です。
ベトナムの証券取引法はざっと目を通してはいましたが、
細部になるとイマイチ不安です。

私がこの試験に落ちると、このプロジェクトは
誰が推進してゆくのでしょうか?
まさかこの歳になって1日半徹夜するハメになるとは
思いませんでしたが、終了試験はなんとかパスしました。

この後、最終的に資格2の試験が3月4日に実施されるのですが、
これはベトナム語での試験となり、パスするのはまず不可能です。
しかし、通訳をつれてきてもOKなのです。
喜ぶべきベトナム的であります。

早速、幹部社員を招集し、
「最高の通訳の手配を頼む。」とウインク一つ。
優秀な幹部社員は
この試験に私が通らないとどうなるかよくご存知です。
通訳の要件である、
「証券業に就業しておらず、資格2を持っていない」女性を
見つけてきました。

600問の中からアットランダムに60問の問題が選択され
パソコン上で回答してゆきます。
4択などではなく8択もあったりする難解な試験でしたが、
終了すると合格のサインが出ました。
史上最強の通訳とハグしました。
となりのマレーシア人の女性社長も3回目の挑戦で、
試験後あきらめ半分だったのでしょうか、
うなだれていましたが、
合格のサインが出たため思わず私に抱きついてきました。
センターの係官が私たちのところにきて、
「おめでとう」と握手してきました。
「横山は、今回の全体試験でトップ合格でした。」と。
通訳さん、やりすぎだよ。

この資格取得後も、学歴、実務経験、無犯罪履歴の確認など
SSCの審査が続きましたが、結果的に5月22日に
ベトナムの証券会社の社長として承認されました。
現在までのところ、ベトナムの証券会社で
外国人が社長になっている会社は5社だけで、
日本人は私しかおりません。

※横山はサクラ証券の社長としては、
2009年4月1日にサクラ証券の取締役会の決議を受けて
就任しましたが、対外的なサイン権は、
SSCが正式に承認した5月22日からとなっております。


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2009年11月19日(木)

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