横山典生  新米のベトナムビジネス物語

ベトナムの証券会社で
唯一最初の日本人社長です

第59回
シンガポールの人

先日、私の携帯電話に覚えのない番号から着信がありました。
電話に出ると「Hello」と言い、外人からの電話かと思ったら
「横山さん、私覚えてる?」と。
一瞬、外国のカラオケラウンジの
女性からの電話かと思いましたが、
どう聞いても男性の声です。
ドキドキして話を合わせていると暫くして思い出しました。
先日、日本に帰った時に
リムジンバスの車中で隣り合わせたシンガポール人でした。

彼は国際機関の日本アセアンセンターに勤めている
リーさんでした。
隣り合わせたときに彼がいろいろと話しかけてくるので、
それには可もなく不可もなく受け答えしていましたが、
以前もコラムに書いたように、
私のシンガポール英語はかなり熟達しております。
恐らくリーさんとしても話し易かったのでしょう。
私がベトナムで証券会社を立ち上げた話をすると、
非常に興味を持って「今度一緒に飲もう」と話し
その場は別れていたので、
“いつどこで飲むのか”というお誘いの電話でした。

当日リーさんと待ち合わせて、
ベトナム料理を食べながら、
シンガポール人の目から見たベトナムに
ついていろいろ聞いてみました。

ベトナム人がビザを取れずに行ける国としては、
タイやシンガポール、マレーシアなどがありますが、
シンガポールはいち早くベトナムの経済発展に
目を付けていたようです。
彼の職場である日本アセアンセンターでも、
ベトナム人への教育などを受け入れた実績があるとのこと。

彼に言わせると、
「ベトナム人は非常に優秀で勤勉で、
これからベトナム市場は非常に発展するだろう」
と太鼓判を押していました。
やはり同じ意見なのだと少し安心しました。

ただし私が(常に疑問を持っている点なのですが)
ベトナム人に優秀な経営者は生まれるだろうか?
と問いかけたところ、彼は少し考えてから
「ベトナム人はお金が大好きね」と一言。
「だから会社へのロイヤリティー(忠誠)より、
自分や家族のことを優先する気がするね」
これについても私はかなり彼の意見に賛成しました。
利益を出す会社はベトナムには沢山生まれるけれど、
その会社がアジア一、世界一になるような企業に
発展させるだけの経営者が本当に生まれるのだろうか?
と心配しています。

ところでこのリーさん、異常にカラオケが上手かった。
「粋な別れ」や「おまえに」などの演歌から
「竹内まりや」の歌などあらゆるジャンルに渡って
歌いこなしていました。

私もそんなに下手ではないと思っていたのですが、
完全にヤラレました。
日本はカラオケの分野でも
アジア諸国に負けてきたのでしょうか?しかも演歌で。
ただ彼が歌っている腹回りをみると
完璧なメタボリックが見えます。
この点日本は既に改善方向に向かっているので、
私は自分の腹をさすりながら少々優越感に浸りました。


←前回記事へ

2009年12月17日(木)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ