プロが教えます!公認会計士
山田淳一郎さんのトクする税金の話

第17回
賢い「みなし取得費の特例」の使い方

「買った値段」は全くわからない!見当もつかない!
いろいろ手を尽くしてみたが、
買った値段が全くわからない、見当もつかない、
といったケースはどうしたらよいでしょうか。
忙しくて昔の日記帳を探す時間はない、
といった方も多いでしょう。
ご安心ください。
「みなし取得費」の特例があり、
取得価額がまったくわからなくても
株式売却損益を計算できるようになっています。

「みなし取得費」の特例
・平成13年9月30日以前に取得した上場株式等を、
 平成15年から平成22年の間に売却した場合は、
 「実際の取得費(総平均法に準ずる方法で計算した取得費)」
 に代えて、「みなし取得費」を採用することができる。

・みなし取得費」は、その銘柄の「平成13年10月1日の終値×80%」。

・平成13年10月1日以降に、
 株式分割や合併・株式交換・株式移転等があった銘柄については、
 原則として平成13年10月1日の終値を基礎に
 修正した価額の80%となる。
 ただし、存続会社が未上場の場合や上場廃止となった場合は、
 みなし取得費の特例は適用できない。

実際の取得価額がわかっている場合でも有利な方を選択できる
実際の取得価額がわかっている時で、
「みなし取得費」の方が
実際の取得価額よりも高い場合であっても
「みなし取得費」を選択することができる、
つまり有利な方を選択することができます。

株式投資は、一番安い時に買って、
一番高い時に売るのがベストですから、
取得価額は安い方がいいわけです。
しかし、税金計算における取得価額は
高い方が売却利益が小さくなるので有利ですから、
「実際の取得価額」と「みなし取得費」を比較して
いずれか高い方を選択して申告するのが賢い方法です。

売却損が出る場合も「みなし取得費」が使える
「みなし取得費」を使って計算したら
売却損が生じることになる場合でも、
「みなし取得費」は採用できます。
そしてその場合の損についても
その年の株式売却利益と相殺しきれない場合には、
3年間繰り越すことができます。

*上記に説明した「みなし取得費の特例」は、
  個人投資家が一般口座で上場株式等を売却し、
  本人が確定申告をする際の
  売却損益の計算に適用される税の取扱いです。
  特定口座における「みなし取得費」の取扱いは
  別途ルールが決められており
  例えば有利な方を自由に選べないケースもある等
  微妙に異なりますので注意して下さい。
  要するに上記本文で説明した取扱いは、
  「取得費のことがよく分からない人もいるであろうから
  個人で申告する人については
  割り切って認めることにした制度」なのです。

執筆:TFPコンサルティンググループ(株)税理士 布施麻記子
監修:公認会計士 山田淳一郎


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