プロが教えます!公認会計士
山田淳一郎さんのトクする税金の話

第20回
特定口座は「取得日」「取得費」の管理、
売却損益の計算は不要

個人投資家は、証券会社毎にひとつの
「特定口座」を開設することができます。
複数の証券会社と取引する場合には、
それぞれの証券会社にひとつずつ
特定口座を開設することができます。

面倒な取得費の計算・売却損益の計算は、証券会社が行なう
平成15年以降「特定口座」で管理している
上場株式等の売却については、
証券会社が「取得費」「取得日」を管理・計算し、
1年間の売却損益を計算します。

証券会社が、「取得費」の計算ができる理由
例えば、甲証券会社の一般口座にA銘柄株式を3株所有し、
乙証券会社の一般口座に同じくA銘柄を2株、
自宅のタンスに現物の株券A銘柄を1株所有している人は、
A銘柄の「取得費」は、
これらA銘柄株式6株を全部合わせたところで、
「総平均法に準ずる方法」で取得費を把握し、
売却損益を計算しなければなりません。

これに対して、上記ケースで甲証券会社の「特定口座」に
A銘柄上場株式を3株所有している場合は、
当該特定口座にあるA銘柄3株だけを対象として
「総平均法に準ずる方法」で「取得費」を計算します。
つまり、「甲証券会社の特定口座内のA銘柄株式」は、
他の証券会社の口座のA銘柄、
タンスの中の現物株券A銘柄とは
別の銘柄であると考えて取得費を計算するルールです。

その「特定口座」内の上場株式等だけを対象として
総平均法に準ずる方法により「取得費」を計算しますので、
つまり、その顧客が他の口座やタンスの中に所有している
株券の情報がなくても取得費を計算できますので、
特定口座を開設している証券会社が顧客に代わって
特定口座にかかる「取得費」を計算することができるわけです。

執筆:TFPコンサルティンググループ(株)税理士 布施麻記子
監修:公認会計士 山田淳一郎


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