プロが教えます!公認会計士
山田淳一郎さんのトクする税金の話

第21回
特定口座(源泉徴収口座)を使うと、
本人は申告・納税手続きも不要

特定口座(源泉徴収口座)は手間いらず
特定口座で「源泉徴収」を選択したら
(以下「源泉徴収口座」と呼びます)、
その特定口座で行なう上場株式等の売却については、
証券会社が「売却損益の計算」・「利益にかかる税額の計算」・
「その税額の源泉徴収と税務署への納税」をすべて行ないます。
つまり、個人投資家は面倒な取得費の管理も
確定申告も納税も何もしなくてよいのです。

平成14年までの「源泉分離課税」が
「みなし売却利益に対する源泉分離課税
(売却価格の5.25%を売却利益とみなして
税金を計算し天引きして課税を完了させる仕組み、
売却価格×5.25%×所得税20%=売却価格×1.05%、
住民税は非課税)」であったのに対して、
平成15年からの「特定口座(源泉徴収口座)」は
「実額売却利益に対する源泉分離課税
(正確な売却利益を計算し所得税・住民税を天引きし
課税を完了させる仕組み)」と言えます。
*平成15年の特定口座(源泉徴収口座)の
  売却にかかる住民税は源泉徴収されないため、
  別途納税が必要です
  (平成16年からは住民税も源泉徴収されます)。

「源泉徴収する・しない」は選択制
特定口座を開設した人は、毎年最初の取引の時に、
「源泉徴収する・しない」を選びます。
年の最初の取引時に「源泉徴収制度」を選択した場合、
その年のその「特定口座」の取引については
1年間「源泉徴収制度」が適用され、
年の途中で変更することはできません。

また、年の最初の取引時に
「源泉徴収制度」を選択しない場合には、
その年のその「特定口座」の取引については
1年間源泉徴収されず、
年の途中で「源泉徴収制度」に変更することはできません。
手間いらずの源泉徴収口座を希望するなら、
「源泉徴収する」の選択をお忘れなく。

執筆:TFPコンサルティンググループ(株)税理士 布施麻記子
監修:公認会計士 山田淳一郎


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