プロが教えます!公認会計士
山田淳一郎さんのトクする税金の話

第56回 生前贈与のための新相続税制
上手な使い方「父から新贈与、母からは普通の贈与」

新相続税制は選択制であり、
贈与者である親と受贈者である子供の組み合わせごとに
適用する、しないを選ぶことができます。
たとえば、父からの贈与については新制度を選択するが、
母からの贈与については選択しないということが可能です。
また、父からの贈与について、
長男は新制度を選択するが、
次男は選択しないということも可能です。

では、父との間では新制度を選択しているが、
母との間では選択していないという子供が、
同じ年に父から2,000万円、
母から200万円の贈与を受けた場合の
贈与税の計算の仕方をみてみましょう。
なお、この子供は父から新制度を利用して
昨年までに1,000万円の贈与を受けており
非課税枠の残りが1,500万円あるものとします。

まず、父との間では新制度を選択していますので、
贈与財産の2,000万円から
非課税枠の残りの1,500万円を差し引いた残額に
20%の税率を乗じて贈与税を計算します。

(2,000万円−1,500万円)×20%=100万円

次に、母との間では新制度を選択していませんので、
原則どおり基礎控除の110万円を控除した残額に
贈与税の累進税率を適用して計算します。

(200万円−110万円)×10%=9万円

父からの贈与に対する贈与税100万円と
母からの贈与に対する贈与税9万円の合計額109万円が、
この子供の支払うべきこの年の贈与税になります。

ちなみに、父に相続が発生した場合には、
父から新制度を利用して贈与された財産
(現時点では、昨年までの贈与額1,000万円と
 上記の贈与額2,000万円の合計3,000万円)を
相続財産に加算する必要があります。

一方、母の相続の際には、
新制度を選択していませんから
贈与財産を相続財産に加算する必要はありません
(但し、相続開始前3年以内の贈与財産は相続財産に加算すべし、
 というルールがあるので、
 3年以内の贈与財産は加算する必要があります)。

執筆:税理士法人 山田&パートナーズ税理士 壽藤里絵
監修:公認会計士 山田淳一郎


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